黒味噌

ラッカは静かに虐殺されているの黒味噌のレビュー・感想・評価

4.0
RBSSという組織自体、この作品を見るまで存在を知らなかったが、かなりくらった。今まで見たドキュメンタリーの中では2番目に面白かったかな(1位はNHKの大アマゾンの特集)。

RBSSは銃や弾薬の代わりにスマホとネットを使って、イスラム国と戦っている。殺されはしても殺せない彼らは常に命の危険を感じながらも、故郷の惨劇を世界につたえていた。その様子がリアルタイムでかつ淡々と撮影されている為、非常に緊張感がある。かっこいいとか素晴らしいとかよりも、彼らが命を張らなければいけないことに悲しさを覚えた。

イスラム国に関しては話題になった当初から興味があって色々と調べたけど、この作品を見てもやはり良く言えば頭が良く、悪く言えば狡猾な組織だなという印象を受けた。政治の混乱→空白→貧困というテンプレの流れを見逃さずに台頭する点や、市民の盾を利用し、かつその犠牲者の家族の恨みをすくい取って戦力にしてしまう点、そして作中でも紹介されていたメディア戦略に長け、現代的なプロパガンダをうまく利用する点など、、、

実際に自分もイスラム国の作成した映像を見たことがあるんだけど、正直音楽やカット割りもかっこいいしで、映像としてのクオリティの高さに驚いた記憶がある。

グダグダと映画に関係ないこと書いちゃったけど、もう一度イスラム国に関して調べたいと思わせる作品だった。その時点でこの作品には大きな意味があるし、これを作らせたRBSSには拍手を送りたい。
黒味噌

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