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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結のazitarouのレビュー・感想・評価

4.5
驚くほど惨たらしく人が死ぬ!初っ端から容赦なく銃弾が突き刺さり顔が吹っ飛び生きたまま焼かれるハードゴア展開に「次は一体誰が死ぬんだ!?」という期待と緊張感に目を剥く。全然知らねえ奴らが自殺同然の決死部隊を結成し、お互いに罵声を浴びせ合い、競うように人を殺し、陽気に酒を飲み、ほんの一時友情と親愛を育む……たったそれだけのことだけど、そうやってキャラクターを立てるのが死ぬほど巧い。「こいつらに死んでほしくねえ……」と思わされたので唸り声しか出ない。

続投のマーゴット・ロビーは素晴らしいアクションはもちろん、演技の隅から隅まで「ハーレイ・クイン」が宿っており唯一無二の存在感。自殺部隊の面々も癖しかない面子ばかりで頭を抱えそうになったが観終わった後振り返ると皆ぐうの音も出ない活躍っぷりで恐ろしい。捨て駒にされた悪党共も無駄にキャラが立ってて勿体ねえ~~~!!ってなっちゃう。マイケル・ルーカーの豪奢な無駄使い感よ。そしてネズミちゃんは可愛い。マジで可愛い。好き。

忙しなく時系列をジャンプするものの、場面転換もいちいちセンスが良く、クライマックスのカイジュウっぷりはかなりアホすぎるし司令部も偉そうにふんぞり返ってないで適度にザルで賭博腐敗しているのもいい。王道だけどスターダムじゃない。だけどそこにあるのは紛れもなく確かな血肉の巡り。例えドブネズミのように蔑まれても、命は美しく、愛おしく、そして驚くほど安い。流石はジェームズ・ガン監督。
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