Hanareru

世界で一番ゴッホを描いた男のHanareruのレビュー・感想・評価

-
めちゃくちゃ面白かった。
ゴッホの剥製画を量産してきた主人公は本物のゴッホ絵を見たことがない。今回、アムステルダムに向かい、本物の「ひまわり」を見ることになる……。
主人公はずっと自分の生活のために何度も絵を描いて来て、そのうえでゴッホのことを敬愛していき、彼を夢にまで見るようになる。それほど崇拝する彼。次に、彼はどれほど苦労してきたかも伝わるし、彼の生活が友達と飲んだり、仕事で叱咤したり、普通の人間だと伝わる。そういった身近さを感じた。また、こういう素朴さがそれが後半にかなり活かされていく。
映画で、自分の絵がどういう扱いを受けていたのか実感していく。タバコを吸って、カメラに語らなかったりするが、ショックを受けている様子が伺える。それだけでも、どうしても感情移入してしまう。
本物の絵を見たとき、映画は音が鳴らなくなる。彼の後ろ姿や横顔。照らされた絵画は感動した。
そして最後のセリフ。俺はとても心が打たれた。ゴッホの書いたセリフと同じように、彼はは自分を同化させたり、自分を見出していく。その本物の絵を見た彼が何をするのか。それを見届けて欲しい。名作。
Hanareru

Hanareru