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バンブルビーのkonoesakutaのレビュー・感想・評価

バンブルビー(2018年製作の映画)
3.6


本作は「味付けは抜群」だが「主食として物足りない」と言った印象。
(↑あとでもう一度このセリフが出てくる)


いいなあと素直に思える映画ではあるものの、ストーリー自体は起伏がなく正味45分もあればいいのでは。


「車が欲しくてたまらない」って言う主人公が出てくる。いいよね。車さえあればなんでもできる、どこへでもいける。そんな風に考えていたティーンの頃。そして始めて手に入れたクソみたいな車を心の底から愛したこと。いいねえ。私にもそんな時代はあったしそんな時代が懐かしい。今どきの方々はお車をあまり欲しがらないというらしいですのう。勿体なや勿体なや。あの頃は家賃に匹敵する駐車場代を払ってでも車を持っているのがステイタスだったようなそうではないのかな。80年代バブリー。もちろん私はバブル崩壊後。トランスフォーマー第1作目でシャイアラブーフがバンブルカマロに出会うとき、横にあったのビートルだよねー、なんて会話も今どきの方々とはあまりできないのかな。

そんな本作は車以外にも80年代を思い出させる要素が散乱。

ビデオビデオ。VHS。これとカセットテープ&スポンジスピーカーヘッドフォンウォークマンはマストアイテムだったよね。うわお。ビデオから行こうか。新しいテープなんてあまり使わなくてさ。何度も上書き撮り直すんだよね。この劣化が激しくてね。でね、「ああ、撮り溜めしたこの番組観てないのに次の週のが始まっちゃう」とか言って数少ない姉のテープに録画なんてしたもんならもう姉発狂。逆ギレ私発狂。ほかの家族も発狂。

発狂。

カセットテープね。微笑ましい。男女交際でカセットテープ交換なんてしちゃってね。何だっけ、FMステーションだっけ、思い出せない。それに80年代ポップシンガーとかの…、ラベル…、何だっけあれ。あれにさあ、すげえ懐かしいのはあの絵。写真をイラストにしたやつ。

ちょっとググってくる。

レーベル!鈴木英人!鈴木英人!懐かしい!検索してくれ!

字を転写するやつも懐かしいな。レタリングだっけ。


登場人物さんの服装はそこまで80年代とは思わなかったけど主役の女の子は良かったなあ。何てったってモーターヘッドのTシャツだよ。背中にネバーマインドと書かれたノースリーブとか(これはニルヴァーナ じゃなくてピストルズだね)。

他にね、皆さん何曲挿入歌わかったかな?この時代にまさかのスミス。最高だね。ボンジョビに思わずニマっとしてしまった。世界ナンバー2一発屋のa-ha(ちなみに私の中の世界ナンバー1一発屋はザ・ナックのマイシャローナ)。もうどこへでもテイクオンミー。デュランデュランって。デュランデュランって。

いろいろと懐かしみつつ妄想に浸るわけでございます。




残念ながら、私が本作を観た感想というとこんな感じだったりして。

ストーリーの最初と最後はもう皆さんの予想通りだと思う。私もその通り。その間のお話がどうにも薄すぎる。お姉ちゃんがパンブルビーにそこまで執着する理由がわからんもんね。お〇〇さんを絡めたいのはよくわかるけど絡んでないし。

期待値が高すぎた。ローグワンとかハンソロとか交渉人真下正義とか、スピンオフで面白い映画観すぎた。

さらにね。
オートボットの体術なんてあんなに長く見せられてもそこまで感心できないしね。あれは人間がやるからおおおってなるだけでねえ(バンブルビーがちょこちょこ隠れるあの仕草は鉄板の面白さなんだけど)。

だからさ。骨子(軸となるおはなし)が細くて味付けばっかりなんだよね。

私みたいな年代の人なら懐かしくてとっても面白いと思うけど。アクション大好きな人ならいいかもしれないけど。お話も楽しみたい人はどうかなぁ。

結局ノスタルジーとでも言おうか、時代設定とでも言おうか、時代考証とでも言おうか、トランスフォーマーおもちゃの最初の黄金期とでも言おうか、トランスフォーマーシリーズの時系列にハマってしまったとでも言おうか。本作は「味付けは抜群」だが「主食として物足りない」と言った印象。

他のことに時間使いすぎて家族愛とかバンプルビー愛とか描ききれてないような。

時代性とエンターテイメントと普遍性を合致させるのは大変だね。ここまで書いても本作が悪いとは思わない。不満が残るってだけで。

スピンオフは元ネタよりも面白くなくてはいけないのだよ。

なんだか上から目線で書いてしまった。容赦。