もとまち

ズームアップ 暴行現場のもとまちのレビュー・感想・評価

ズームアップ 暴行現場(1979年製作の映画)
3.7
夏。廃墟と化した建物を舞台に、様々な人間たちの狂気が交差する。誤って愛人を絞殺してしまった男、その現場を目撃してしまった絶賛浮気中の人妻とその間男、そして淡々と残忍な犯行を重ねる黒手袋の殺人鬼!(なぜか履いてるのはビーチサンダル) みんなどこか倫理観がぶっ飛んだ人たちばかり。そんな彼らが色々しでかすせいで廃墟にどんどん死体が積み上がっていくという異常なストーリー。すごい。

しかも、殺人鬼はストーリーにほとんど絡んでこないのが面白い。劇中彼は本筋そっちのけでひたすら理不尽に殺人を繰り返しているだけなのだ。正体や動機も一切明かされず、ただただ「純粋悪」として存在している恐ろしさ。

キャラクターたちが堕ちるところまで堕ち、物語も何の解決を迎えないまま、新たな惨劇が引き起こされるラストシーンに戦慄。
もとまち

もとまち