初のカウリスマキ作品を鑑賞
ヨーロッパが抱える難民問題を深刻に、だけど少しのユーモアを織り交ぜて描いた作品。
兎に角、みんな笑わない。
特にドラマティックでもなく淡々とカーリドを助ける。困っていたら助けるのが当然と言わんばかりに。
フィンランドの質素で寒々しい画と、周りの人情の温かさ優しさ(しかも無表情)のギャップ。
ただそれだけではなくて、国粋主義の人も描くことで、随分多角的で独特のアイロニーも感じた。
ラストのカーリドの表情のカットと、タイトルの意味を考えると胸にじわじわくる
移民問題から遠く離れた私達でも、何か出来ることはあるのではないかと。
それにしても唐突に出て来て唐突に終わるスシが面白い。
日本に対する無知なユーモアと思っていたが、他の方のレビューを読んで、あのてんこ盛りのワサビに、世界が抱える問題に対する悪意のない無知を指摘されてる気がした。自分も含めて。
他の作品も観たくなった。