自粛明け久しぶりの映画館で見た作品
自粛中にカウリスマキ作品は何本かDVDレンタルで見てすっかり心奪われていたのでスクリーンでカウリスマキが見れる!とワクワクして行った
結論から言うとこの映画、素晴らしかったです
今#blacklivesmatter運動が広がっている中で論点が違えど、この映画はすごく貴重なものであると思う
この映画で取り扱っているのは難民問題。
フィンランドは難民に優しい国というイメージもなんとなくあるが実際のところは結構な社会問題でもあり
ただこのフィンランド社会的にマイノリティになってしまう難民たちは様々な苦難を超えてここにたどり着いているであろう
この映画は難民の内情や心情にフォーカスを当てながら社会的な問題にコミカルな描写で真摯に向き合っている
今までの昔のカウリスマキの作品のような余計なセリフを排除し、あまり感情的な表情も撮らせない映像は健在。
そして音楽をとことん聴かせる演出や演奏シーンもちろんそのまま。
いい意味で統一された作家性に改めて感銘を受けた
ストーリー展開はわかりやすく、もっぱらコメディ要素が多いのでいわゆるアート系映画が苦手な方でも間違いなく楽しめる作品。
もちろん理想と現実のギャップに胸が苦しくなる場面もあるが、この映画が描いているのは間違いなく希望である。