Ryan

名もなき野良犬の輪舞のRyanのレビュー・感想・評価

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)
4.1
不汗党:悪い奴らの世界



ストーリー
刑務所に服役中のジェホは犯罪組織のナンバー2。自分以外に誰も信用したことがなく、ボスにさえ心を許したことはない。そんな中、新入りの若者ヒョンスの物怖じしない鼻っ柱の強さに興味を持つジェホ。そしてある事件をきっかけに2人は固い絆で結ばれていく。


主演 ソル・ギョング



名優ソル・ギョング主演作品
好きだな。
視点を変えればこの作品の描き方は前日譚的要素がある。
そのため韓国ヤクザ映画ならほぼ全て前日譚として当てはまりそうな予感。もちろん勝手に想像の中だが。
今作の後に様々な作品(間接的な関係なく)を重ね合わせ「その後どうなったのか?」や「今は何を思うのか?」など余韻として観客に考えさせてくれる。

中盤にかけてはエンターテイメント性も高く、それでいてちゃんとノワール。バディものの面白さが爆発しているが、後半の展開に面白さが一瞬落ちる。
しかし、ラストの終わり方と余韻の残し方は最高に良い。

序盤からソルギョング演じるハンの笑い方が嘘くさくダサいと思っていたが物語が進むに連れてそれが物凄く良い味となる。
キャラクターの物語にもよくマッチしながらその笑い方一つでもう一つの顔が見え隠れするような。
「これが韓国映画界ルネサンス期を支えた男か!」と思わず唸る。
イム・シワン演じるヒョンスも正直ものを見事体現しており劇中でもよく言われていたが、確かに"可愛い"。
2人のキャラクターの所々に"隠れゲイ"要素があり「もしかしてこれは狙った演出だな?」と、それをまた観るのが楽しかった。

ラストの終わり方と音楽の使い方、演出は最高だった。
この映画、好きだなぁ。
Ryan

Ryan