りな

すばらしき映画音楽たちのりなのレビュー・感想・評価

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)
5.0
ハリウッドサウンドの原形についてや音合わせの様子、映画製作においての作曲家の立ち位置、ドキュメンタリーらしい構成で進み、いろんな事が知れます。本当に素晴らしい音楽を作ってきた作曲家たちが次々と登場してびっくりします。

『MAD MAX 怒りのデスロード』についても語られますよ。ダニーエルフマン、パトリックドイル、それからミュージシャンのMobyも出演!!『たかが世界の終わり』で流れた「Natural blues」は印象的でしたよね。この作品についてのコメントではないけれど、ファンだからまさかの本人出演にテンション上がった!!そしてやはりジョンウィリアムズは偉大だ…。ポッタリアンとしてはヘドウィグのテーマが流れなかったのは大変不満です。(笑)あとは心から大好きな久石譲さんも是非取り上げて欲しかった…。『インセプション』『ロードオブザリング』『ソーシャルネットワーク』『ミニオンズ』などなど本当に沢山。幸せな93分です。


最近劇場で見た映画の音楽で印象深く残っているのは『メッセージ』で流れたマックスリヒターの「On the Nature of Daylight(『事物の本性について』)」。既存の曲で以前から多くの映画で用いられていますが、この楽曲のタイトルはエピクロスの宇宙論を詩の形式で解説した書から取られたものです。そのエピクロスの生命と永遠についての思想に触れれば、この楽曲は最初からこの映画のために存在したんじゃないかと考えてしまいます。

音楽の持つ多面性、可能性。映画はある意味で音楽が全てを語ります。無意識の中に潜入し作品を印象付ける無くてはならないものです。そんな音楽の素晴らしさを作曲家や監督たちから解説してもらえるなんて、本当になんて最高な作品なんだ!!

『ラグラッツ』の劇中で使いたくて買ったオモチャのピアノがオモチャのくせに高くて収録後に店に持って行って返金してもらったエピソードが面白かったです。(笑)
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