ももも

少女邂逅のももものネタバレレビュー・内容・結末

少女邂逅(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

美しかった。
ほしもえかさんもモトーラさんも
綺麗だった。

物語の本当のところは理解できたか分からないけど、紬とミユリの痛みを垣間見ることができた。苦しくて切ない話でした。

虫は痛覚がない
すぐ死ぬから痛みを知る価値がない
人間は痛みを感じる
痛みを知る価値がある
つまり生きてる価値があるってこと
生きる価値を感じるための自傷行為

人間のために育てられる蚕
サナギの外側の繭だけ必要とされる蚕
すなわち身体だけが必要とされる女
父親のために育てられる紬(性虐待を受ける)

いじめられているミユリも辛いが
そばにいてくれた紬の背景も壮絶だった


ミユリは紬のおかげていじめもなくなり
いろんなことを知って
少しずつ友達もでき、
世界が広がってゆく。
そして最後は紬を裏切る

紬はミユリを救い出すことで
自分の価値を確かめ生きる、
沖縄とゆう彼女たちにとっては
遠く広い世界へ共に逃亡しようとするが
ミユリに裏切られて失敗に終わる
父親に連れて帰られるときの
紬のあの笑顔が怖かった。悲しかった。
笑ってるのに絶望感、恐怖、諦め。

ミユリは紬の太ももの傷を見て
そこから伸びる糸を見て
蚕だと思ったのだろうか?
プツっと糸の切れる音と暗転が2人の関係をも切ってしまったような気がした

最後はミユリが自分で決めて東京に進学
数ヶ月間の確かな意思のある行動。
自立しそして世界が広がっていく。
(そもそも最初の食事シーンで、母親がミユリのコロッケをわけ、ソースまでかけてから渡しているところにも違和感を感じた)

それとは対照的に、
蚕が食事も取れずに2日しか生きられないとゆうことに合わせるかのように紬は部屋の隅で餓死したと、ミユリをいじめていた清水に聞かされる。

電車に揺られながら
カッターナイフで手首を初めて切る
血が流れる

ミユリは紬を裏切ったことを苦しみ
自身を傷つけて痛みを感じる
生きてて良いのだと感じたのだろうか?


自分だけでは解釈しきれず
他のひとの考察を読んだ。
2人の空気感と透明感
切なくて苦しくて美しい映画でした。
ももも

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