少女邂逅という映画を観た。
ある日、イジメを受けていた主人公(小原ミユリ)は東京から来た転校生(富田紬)と出会う。
やがて二人は親しくなるが、紬にはミユリに言えない秘密があった、、、。
この世界には多くの約束がある。
守りたい約束、守れる約束、守れない約束、守れなくても交わしたい約束、etc...。
僕はそれをよく知っているつもりだ。
子どもの頃、引っ越しすることが多かった。
引っ越しの度に、当時の友達はそれぞれ「いっぱい手紙書くからね!」と言ってくれた。
けれどほとんどの場合、手紙は来なかった。
手紙が来ることがあっても一回くらいだった。
何度か引っ越しすると、守れない約束があることを知った。
それでも、守れない可能性が高いのに約束してくれることが嬉しかった。
だから僕にとっては、守れないかもしれないと思っていても約束を交わしてくれること自体が優しさだった。
ただ、それは僕が恵まれていただけなのかもしれないと本作を観て思った。
もしも僕の世界に家族も恋人も友達も居なくて君しか居なかったなら、君にだけは無理な約束でも守って欲しいと願うだろう。
無理な約束をしてくれるだけで優しいとは思えないだろう。
君だけだったら君に全部求めてしまうかもしれない。
君が寂しくて僕の手を握っただけだとしても僕が救われるように、誰もが抱えている「孤独」が誰かを救っているのかもしれない。
そんなことを考えさせられる作品。