日向日向

聖なるものの日向日向のレビュー・感想・評価

聖なるもの(2017年製作の映画)
3.0
脳は宇宙

金をドブに捨てる覚悟で観に行ったこの作品。まぁ、駄作というわけではないけどわけわからないのも事実。なんでも庵野氏とフェリーニ監督の名前出しとけばそれっぽい評論になると思うなよ!僕はそう言いたい。
余談だが平日とはいえ夕方の上映で僕以外観ている人が誰1人といないのはどうなのか。

映画部に所属するが映画を一度も撮影せずに三年生を迎えてしまった一空。ある時新歓で先輩に、新歓の怪談について聞く。
その後、彼は不思議な女性南と出会い、映画の撮影を依頼するのだが……。
という物語。

しきりに「外の世界」を目指す、とか言い続けるわけで、パンフの裏表紙の絵も相まって、この映画はクトゥルフ神話を絡めるのかな? と思いきやそうでもなく、なんかよくわかんないまま進行し、そして終わる。
まぁ、考え出せばいくらでも想像が掻き立てられるわけで、そういうのも寛容に受け入れられる人なら楽しめるだろう。が、映画という定義から見ると少し違うような気がした。

独特なショットを得意とするアニメ製作会社シャフトの演出をそのまんま映像に反映させたかのようだ。小説でいう地の分の部分を暗転させた後に字幕の文章で映し出すあたりが特に顕著だ。
考えれば考えるほど頭が混乱していく。ある意味SAN値が減らされていく映画だ。

うん、邪推はいくらでも書けるけれど、率直に言うと変な映画である。説明する気もないし、監督自体もやりたいこととりあえずやったぜ、的なスタンスだからそもそも理解させる気がない。
それを受け入れ、妄想して楽しめる人なら案外この映画は楽しめるのではないか。

僕も少しは、そう言う見方をして楽しめたのではないかと思う。映画としての出来を問われれば首を捻らざるを得ないけど。
日向日向

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