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熟れた快楽のmaduuのネタバレレビュー・内容・結末

熟れた快楽(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

原題は「輝く幸せ」。
邦題は非常に残念だけど、渋く丁寧な大人のラブストーリーで尚且つ、人の生きる意味や人生感を考えるような哲学的な描き方でよかった。確かにエロティックなテーマを多いに含んでいるが、下世話さと知的さとの塩梅がいい。ポルノに強い抵抗がある人は不快に感じるかもだけど。
撮り方も絵的で綺麗、無駄なショットがなくってよいし、説明的なセリフもなくってチープさがひとつもない!

以下ネタバレあり
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物語の本質は主人公ヘレーネが、自分の人生を取り戻す話で、ヘレーネの気持ちに寄り添わず怒りが頂点に達したら暴力を振るう夫と暮らしていくうちに、自分を見失い眠れなくなり、神への信仰心(幸せとゆう感覚のメタファーかな)を失ってしまった。
そんな時に、脳科学者のエドゥアルドの本を手にし
この生活を抜け出す糸口を見出し、彼に会いに行くヘレーネ。その後引かれ合う2人だが、ヘレーネの信仰心とエドゥアルドのポルノ依存症とゆう、相容れぬ2人の問題が壁となっていくが、
私がこの映画で好ましいと思ったのが、ヘレーネが今の生活への問題を自力で解決しようと試みている所で夫との関係の結果の良し悪しは置いておくが、エドゥアルドとゆう経済的、地位的に成功している男に乗り換えるとゆう短絡的解決ではなく、ヘレーネなりの戦いを経て掴んだ新しい幸せが結末だったのだ。(結果はエドゥアルドへの乗り換えだけど)
観てる側は、DV夫からとっとと逃げてしまえば…と思ってしまうけど、ヘレーネが最後に笑うには彼女なりの戦うプロセスが必要だったのだと、思える最高の演技をしてたマルティナ・ゲデックさんが素晴らしかった。
冒頭シークエンスのオレンジを絞って作るジュースの映し方が美しいのだけれど、
3回目に映る同じシーンで違和感を感じるなと思ったら…夫が作ってるとかゆう細かいところまで気が利いてる。
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