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女と男の観覧車のenaのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
4.0
1950年代、ブルックリンの外れにあるコニーランド島にある錆びれた遊園地が舞台。
今ではブルックリンのエッフェル塔と呼ばれている観覧車を、当時10歳くらいだったウディ少年はどんな気持ちで見ていたんだろう。
きっと今と変わらず皮肉的な目で見てたに違いない。

この作品の面白いところは、wonder wheelという題名なのに、観覧車に乗ったり、主人公がその観覧車に思い入れがあったりする訳ではないところ。

観覧車に乗ると、普段は見れない景色が見えるけど、その瞬間はあっという間で、気付けば地上に降ろされてる。
降りた後は幸せな気分でふわふわと歩くけど、結局はどこにも行けてはいなかったことに気付く。

ウディおじさんが、恋愛ってそんな感じだよね?と言っているようでやられたなーと思った。
だから邦題が男と女の観覧車か。

決して派手な映画ではないけれど、じわじわと染み込む様に身体に入ってくる、
味わい深い作品だと感じました。

赤くゆらゆらと照っている部屋がすごく綺麗で、あの部屋があるだけで、すごく幸せじゃない?と思ってしまうけど、
人はやっぱり一番幸せだった時のことをそう簡単には忘れられないんだな。

所々でケラケラ笑ってたけど、これ年を取れば取るほど笑えないと思う。
明日は我が身。
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