シネフィル母ちゃん

女と男の観覧車のシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
4.5
過去のウディ・アレン作品は好きだったけれど、前々作の「教授のおかしな妄想殺人」が嫌いすぎてその年のワースト映画ナンバーワンだった。
よく考えたらその前の「マジック・イン・ムーンライト」も「ミッドナイト・イン・パリ」も全然好きじゃなかったし、もしかしたら近年のウディ・アレン作品とは合わないんじゃないかと思い、前作の「カフェ・ソサエティ」はスルーすることにした。
今作もスルー予定だったが、予告を観たら映像の色彩があまりにもツボすぎたので急遽鑑賞。

そしたらさ…
そしたらさ……!!
そしたらさぁーーーー!!!!!
めちゃくちゃ面白かった!!!!
おかえり!おかえりなさい!ウディ・アレン!!!!!
私はこういうのを待ってたのよ!!!
「映像美だけに期待してストーリーは我慢して観よう」なんて思ってた自分を殴りたい!!!
誰か!誰かーー!ビール瓶で私を殴ってほしい!!
私の馬鹿野郎!!!

ウディ作品の
「ブルー・ジャスミン」
が好きな人なら絶対好きかと!
あと、
「ヤング≒アダルト」
「欲しがる女」
「マッドメアリー」
が好きな人も絶対に今作は気に入るはず!!!

主な登場人物は5人。
主人公の女
飲むと暴れる旦那
前の夫との間に授かった放火好きの息子
旦那の連れ子でマフィアから追われてる娘
イケメン監視員

これが全員まったく好きになれないキャラ!
いやー、みんな苦手だわー、嫌いだわー笑。


ケイト・ウィンスレットがそりゃもう痛々しいったらありゃしない!!
過去に囚われて後悔ばかりで今を生きていないのが惨めで情けない。
若い子と張り合っちゃって必死になる様とか、痛すぎて「ディカプリオー!あんたの親友が凄いことなってるよー!助けてよーー!!」って脳内でディカプリオにSOSを求めてた。
「こんな女になりたくない選手権」ってのがあったら堂々1位に輝くんじゃないかしら。
後半の長ゼリフなんて、あまりの痛さに恐怖すら抱いたよ。
でも、その痛さがめちゃくちゃ哀しい。
味方は出来ないけれど、抱きしめたくなった。

お話は痛々しいけれど、劇中で流れる音楽はいつものウディ・アレン調でお洒落。
そして光の使い方が幻想的でお洒落。
色調や光加減は、今年観た作品の中で1番好きかもしれない。
美しかったー!

そんなわけで、お久しぶりのウディ・アレン新作に大満足!
ただ、一緒に観た恋人は全然ハマらなくて辛そうだった。
普段、映画に対して苦言を言わない恋人なのにこの作品は「主人公が苦手で全然ハマらなかった。無理だった」って言ってたので男女で意見が分かれるのかなーと。