jinhee

悪女/AKUJOのjinheeのレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
3.5
冒頭の10分だけでも割とお腹いっぱいになれる。主人公目線の画面が綺麗に視点切り替えをした瞬間、震えた。撮影技術について全くの無知なので、カメラワークで震えるような感動をしたのは初めてだ。一人鑑賞派だけど、「観た⁉︎今のすごくない⁉︎」と誰かに言いたくて仕方がない。とにかく観て欲しい。最初の10分だけでも観て欲しい。
冒頭のド派手なアクションシーン、また少し空けての追いアクションシーン。その頃には日本人ヤ◯ザが暗殺者を追う時に、当然のように日本刀を持ってバイクに乗ったとしても、ねぇよ(笑)と思うより先に、また凄いのが始まる!という期待感が遥かに上回っている。全てのアクションシーンが全力の疾走感だった。これは劇場で観る為の映画。
キム・オクビンは「渇き」での正気じゃない演技が印象的だったが、今回も良いキレっぷり。

その分中盤のロマンスパートは正直、中弛みの感があった。緩急をつける為に必要だったのか?と思ったが、ここまでキレまくったアクションシーンがあるのだから、むしろ邪魔に感じてしまった。
純愛パートはスクヒのバックボーンとしてジュンサンだけにし、ヒョンスとウネも無し、シンプルに愛憎のバーサーカーが復讐の為に国家権力も利用して暴れきる映画にして欲しかった。

ジュンサン役のシン・ハギュン目当てで観たのだが、素晴らしくカッコ良い。シン・ハギュンは繊細で純粋な優しい役と、冷徹非情な役のどちらもハマる。今作は冷たいハギュンが好きな方にオススメ。
但し、ハギュンファンとしてもやはりジュンサン登場の尺が物足りない。スクヒの人間らしさを描くのには新しいロマンスよりもジュンサンを引き摺り続けて欲しかったと思う。
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