konoesakuta

映画ドラえもん のび太の宝島のkonoesakutaのレビュー・感想・評価

4.9
大傑作。のび太の恐竜と宇宙開拓史と鉄人兵団に割って入る。

伝説の宝島を探しのび太は今日も荒唐無稽に突き進む。そこから始まる夏休み。

テンポが良く新しい登場人物も敵味方を問わず魅力的。子どもだけではなく大人も取り込む。ここ数年のドラ映画の子ども特化が嘘のようだ。 ドラえもん様式美満載。ジャイアンとスネ夫の映画ならではのスペシャル活躍も健在。今回も2人の男気はスクリーンに映える。オールドドラえもんファンの心をも鷲掴み。「鼻でカルボナーラを食べる」は「目でピーナッツをかむ」を彷彿させてくれる。これだけでもご飯三杯はいける。

特筆すべきはひみつ道具の使われ方。帆船と帽子以外はほぼ無解説。全て今までのドラファンにはおなじみのあの道具ばかり。

ひみつ道具「◯◯◯◯◯」登場シーンはあまりの懐かしさとのび太の勇ましさに本気で涙が出てくる。単行本第5巻。あの、狭い家を広くするあの道具。のび太がダイブしてしばらくするまで何の道具なのかわからなかった。気づいて感動した。これ以上書くのはやめる。とにかくのび太ダイブだ。

去年子どもたちと「来年でドラえもんを卒業しよう」と決めた。今年長男は中学校2年生。次男は小学校を卒業する。毎年恒例のドラえもん映画鑑賞だったがどこかでピリオドをと相談したのである。子どもの成長は嬉しいが、ドラえもんと育った数々の記憶がよみがえり感傷的になってしまった。しかも本作は嘘のような焦点の絞り方。「心が傷ついた父親を子どもたちが癒していく物語」。参った。我が家の話か。正直涙が止まらなかった。

これからものび太とドラえもんとジャイアンとスネ夫としずかちゃんは、歴戦の勇士として頭にタケコプターを載せて編隊を組み、海に山に宇宙に時空を超え探検の旅に向かっていくのだろう。私はもうドラえもんは観ないが、私の子どもたちは親になったときに自分の子どもと一緒にドラえもん映画を3月に楽しむようになるのだろうなんて、考えた。

しかし、映画館を出た直後3人で「今年のドラえもん、面白いんじゃね!来年も観にいっていいんじゃね!」

私のドラえもん卒業は、本作のあまりの出来の良さにもう一年のばされることになりそうだ。シルバー役の我が北海道の大スター大泉洋。ありがとう。

そしてこんな長文読んでくれて本当にありがとう。