GAGA★かクロックワークスっぽいと思ってたらキノフィルムズだった。
メジャースタジオ系の地球への宇宙人侵略からの軍事的大作戦系のSFアクション、の方ではなく、既にその軍事的な大展開が行われたけど無意味に終わり地球が侵略された後の話。
世界的に軍は侵略者からの停戦と降伏を受け入れ、侵略者が地球から資源を搾取することに協力。もはや、侵略者の元に下ってしまった状態。
地球人とエイリアンたちの住む場所は隔たれており、普段は出会うことはない。しかし、市民はエイリアンやその元に下った当局たちから監視される。
エイリアンの統治の下で弾圧、制圧、監視、搾取され続ける人類の中に、僅かながら反旗を翻す者がおり、当局の目を盗んで色々と画策し、一矢報おうとテロリストとして暗躍する物語。
めちゃくちゃ荒廃した世界での話かと思いきや、貧富の差がさらに拡大した世界ではあるけれど荒廃とまではいかず、この侵略者の監視や統治によって、犯罪率が下がってるという皮肉めいた世界でもある。
だから、一方的な破壊活動で地球と人類が絶滅に追いやられているのかと思えばそうでもない。
確かに、弾圧され生活を制限されたりしている以上、以前の豊かで穏やかで自由な世界ではない。
この一件で潤っている一部の人間もいるかもしれない。
テロリストたちは侵略者たちと、このどこかおかしくなってしまった世界に対して、立ち上がる。
このテロリスト達のカリスマリーダー的な筆頭がジョナサンメジャース、例の“カーン”。
その他にも結構あちこちで見たことある俳優も多い。
決してド派手なSF超大作ではないが、かと言ってロードムービーっぽいひたすら地味な作品でもない。
侵略者に対して最先端の軍事的な武力で対抗して総力戦的な火力でぶっ放す映画ではない。
それらを諦めてしまったかのような政府と圧倒的なテクノロジーで押さえつけてくる侵略者に対して、代わりに“市民”が抵抗する構成。
その辺のバランスとテンションと、取れる選択肢のリアルさは良かった。
多くの人々が元の地球に戻ることを願いつつ、とはいえ誰かが動こうとせず波風立てずに搾取されることで生きていれば良いとする人もいる。
最後の方で一瞬、“モビルスーツ”っぽいモノが映る。それが気になって仕方がない。
そういう映画ではないけれど、これ、動いて欲しかったな。
“マッチを擦り、戦争を起こせ”
“抵抗している限りはチャンスはある”
いつもの“宇宙人vs地球人”の意地と意地の戦いではなく、後日談的な鍔迫り合いの果ての人類の悲壮感と徒労感の中で、何とかしたいと思う願いのような部分が色濃い映画。
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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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