一人の熱狂が創り出したダークで、可愛らしいSF神話。
物語は遠い未来世界、人類が創り出した奇妙な生命体達と衰退した人類の一人が地下世界を舞台に冒険を行う話。
主人公(人)はコミカルかつ記憶喪失の絶望的な状況のはずだが、一種の神話の中の人物のような数奇な運命を辿っていく。実際に、生死の境を幾度となく越え、肉体の超越を繰り返す様は、宗教的な意味合いを感じさせる……が、変に説教臭くなく、コメディタッチにその様子が描かれるのは面白い。
クレイアニメだからできる世界観描写やキャラクターデザインはブラックな一面と可愛らしさをよく表している印象。
キャラクターの動きのコミカルさがあっているから、シリアス的な味付けがよく中和されている印象。
物語の根幹となる部分は意外と重そうなのだが、行動で語ってくる様は好感が持てる。(尻尾というか、生殖というものの追求はテーマは重めなのだが、笑えてしまう)
本作のみでも綺麗に終わっているが、3部作の構想があるらしく、ぜひ次回作も観たい内容だった。