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マッド・メアリーのkateのレビュー・感想・評価

マッド・メアリー(2016年製作の映画)
5.0
アイルランドアカデミー賞作品賞&助演女優賞受賞。
不器用だからこそ余計な痛みを感じながら生きるメアリーに共感する点も多々あり、身につまされる思いだった。メアリー役サーナ・カーズレイクがみせた始終不機嫌な表情と苛立ちが映画的ではなくリアリティがあり、ドキュメンタリーを観ているようだ。

フォトグラファーのジェスと付き合ったことで強制的に親友に対する気持ちに向き合い、折り合いをつける過程が、言葉少なにメアリーの表情と田舎町の風景を重ねて描写されている。
結婚式の友人代表スピーチの草稿が、メアリーらしい照れ隠しとずっと側にいたからこそ書ける内容で、その想いに胸が苦しくなり号泣。ずっとズレていた二人が最強だった頃(ハイスクール時代)の姿が再現されるダンスシーンでも目が潤む。

レズビアン&ゲイ映画祭で観たが、確かに親友に密かに恋心を抱いていた物語とも読めるし、親友との友情&成長物語とも読める。青春&成長物語として出色の面白さがあり、個人的にジャンル別のオールタイムベストに入る。
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