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累 かさねのmaaaaaaar1nのレビュー・感想・評価

累 かさね(2018年製作の映画)
5.0
-何が罪で、誰が悪なのか-
クライマックスの土屋太鳳のセリフが、全てを物語っていたのかも知れない。


この映画を見て感じたのは
・幸福な人はえてして、奪う人よりも与える人である
・アイデンティティは、自分の中からこそ生み出される

予告編時点での期待値は40/100くらいだったにもかかわらず

・美人女優同士の百合に釣られた人も
・女性同士のドロドロしたあれこれが苦手な人も
・「土屋太鳳?芳根京子?誰??」って人も
・やっぱり邦画より洋画っしょ!って人も
・原作愛が深すぎる人も(読んだことはないけど)

全員等しく、両眼どころか全身釘付けになるほど
魅了される映画だった。


圧倒的な負のエネルギーに気圧されるも
決してそれだけではない、ただならぬ力に呆然とさせられる。

劇場版るろうに剣心で知った土屋太鳳は、その後"アルカナ"や"人狼ゲーム"また"兄こま"などの作品を鑑賞することで
陰と陽の演技の使い分けと、その狭間の微かな揺らぎの表現に
個人的に圧倒的魅力を感じてた。

今作はその中でも、特に土屋太鳳の「陰と陽とその狭間」をたっぷり堪能できる作品に仕上がってる。

けれどそれは、引き摺り込まれるような芳根京子の陰の演技があってこそだと確信してる。
土屋太鳳と芳根京子のダブルヒロインが、面白すぎるくらい見事に化学反応を起こして

・ドロドロなのに胸焼けしない
・ヘビーなのにテンポが良くてスピーディー
・互いの陰と陽が慌しく攪拌されて味の良い
そんな風に仕上がったのだと思う。
累を見て、芳根京子が一層好きになりそうではある。

蛇足だけれど…
エンディングテーマのBlack Birdのこともあってか、ナタリー・ポートマン主演の「ブラックスワン」をどこかに重ねてしまった。
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