累 かさねの作品情報・感想・評価

累 かさね2018年製作の映画)

上映日:2018年09月07日

製作国:

上映時間:112分

あらすじ

伝説の女優・淵透世ふち すけよ(檀れい)を母に持つ少女・累かさね(芳根京子)は、母親ゆずりの天才的な演技力を持って生まれながらも、容姿は母に似ず、顔の大きな傷にも強いコンプレックスを持って生きてきた。そんな彼女に母が遺した一本の口紅。 その口紅は、キスした相手の<顔>を奪い取ることができる不思議な力を秘めていた――。 一方、美貌を持ちながらも、決して他人には言えない理由により花開かずにいる舞…

伝説の女優・淵透世ふち すけよ(檀れい)を母に持つ少女・累かさね(芳根京子)は、母親ゆずりの天才的な演技力を持って生まれながらも、容姿は母に似ず、顔の大きな傷にも強いコンプレックスを持って生きてきた。そんな彼女に母が遺した一本の口紅。 その口紅は、キスした相手の<顔>を奪い取ることができる不思議な力を秘めていた――。 一方、美貌を持ちながらも、決して他人には言えない理由により花開かずにいる舞台女優・丹沢たんざわニナ(土屋太鳳)。 彼女は、女優として大成することに異常な執念を募らせながら日々を過ごしていた。 ある日、累は母・透世に世話になっていたという男・羽生田はぶた(浅野忠信)を通じて、ニナと出会う。“美貌”と“才能”、自分の足りない部分を埋めるように導かれ、出会った二人。互いの目的の為、口紅の力を借りて、入れ替わることを決断する。 ニナの“美しさ”と累の“演技力”、どちらも兼ね備えた完璧な女優“丹沢ニナ”は、一躍脚光を浴び始める。 二人の欲求が満たされていく。しかし、二人がともに恋に落ちた一人の演出家・烏合うごう(横山裕)をめぐり、秘密の共同作業に亀裂が生まれる。

「累 かさね」に投稿された感想・評価

けめこ

けめこの感想・評価

4.0
いや…すごかった。美醜、名声、恋愛、そして何より、舞台に立つ快感…それらへの執着が、こんなにも激しい物語と画になるとは…。
演じること、が一つのテーマの作品を、よくもまあここまで映像化したものだ…。

とにかく、土屋太鳳ちゃん芳根京子ちゃんがすごい。今まで、そりゃ朝ドラ主演だしかわいいなとは思ってたけど、芝居の面でものすごく惹かれるってほどじゃなかったんだよね。
特に太鳳ちゃんは明るく元気な子!みたいなCMが多いから、まあマスコットガールとしてはかわいいけど芝居向きではない、みたいな評価をしてて…いやほんとごめんなさい。見直したどころじゃない。もっといろんな役で見たい女優さんになった。正直、絶世の美女っていう設定に合うのか?って思ってたけど、開始1秒で、あっこれは美女だわ、って思った。たぶんメイクの雰囲気の違いもあるんだろうな。ほんとに、元気っ子、みたいなイメージでしか見たことなかったんだ。
京子ちゃんも、朝ドラも海月姫も途中で挫折しちゃって、オモコーとかを見てればきっとすごかったんだろうなとは思いつつ、ハマるまではいかない女優さんって感じで…今まで何を見ていたんだろう…。
自分の傾向として、こういう、影のあるというか、キラキラ元気なだけじゃない芝居が好き、ってのもあるな。今テレビで活躍してる人ってやっぱりどうしても、さわやか!とか、かわいい!かっこいい!みたいに売り出されがちだけど、そうじゃない芝居を見ると魅せられてしまうものがある。

一つの役を二人で演じる、ってのは、たとえば時代を越えた同一人物を演じるとか、自分の趣味のところだとスーツアクターさんと俳優さん声優さんとかであるわけだけど。これはもう、二つの役を二人で演じてて…ほんとにちゃんとしっかり、顔だけが入れ替わって中身が同じように見えるのがすごい。後半、ほとんど累はニナの顔をしているわけだけど、そのままニナになったんじゃなくて、あくまで累としてニナの顔で過ごしている、ってのがわかる。いくら自信がついてきて振る舞いが堂々ときつくなってきても、累は累。同じくどこまで行ってもニナはニナだし。
序盤では、稽古とか舞台以外のシーンでも、普段のニナを演じている累、がいたんだよね。かもめの決起パーティーとか。ところが後半、お母さんを呼ぶときなんてもう、芝居感がなくなっていて、ほんとに乗っ取ったんだってわかるシーン。
これすごいのが、どっちがどっちでいるのか、混乱するところが一つもなかったところ。「かもめ」の稽古シーンで、入れ替わって出てくるところあるけど、ああ入れ替わったなって秒でわかった。まとわせる雰囲気、としか説明できないんだけど、それをしっかり変えてくるのがすごい。服も交換させられました、って言ってたけど、実際の撮影ではそのままの衣装で、はい入れ替わりました、つって撮ってるわけで。それであの差が出るって、ほんと、どうなってんのお芝居って。
そして、稽古や舞台に出るのはずーっと土屋太鳳ちゃんなんだけど、その演技の使い分けがすごい。横山くん演じる演出家が「今日の君は違う、心の奥に秘めたものがない」って言ってたけど、まさにその通りで。その、心の深さまでを芝居に出すってほんとなんなんだ…。

そしてまあまた、サロメという、ぴったりすぎる題材があったことよ…あらかじめ知ってると何倍も恐ろしいやつ。舞台の最後、映像中の観客たちと一緒にスタンディングオベーションしたくなったわ。
なんたって太鳳ちゃんのダンスはすごい。さすが現役体育大学生。あのサロメ、ほんとに国立劇場とかでやってくんないかな…観たい…

浅野忠信と壇れいの怪しさがはんぱない。どっちに対しても都合のいいことを言う浅野忠信!おまえだよおまえ!!っていうのにぴったり。でも結局彼の望みは、伝説の女優をもう一度見ることだったんだね…。

近年のドラマで、「醜いという設定の役でも女優さんがかわいすぎる問題」ってのがあって。確かNHKのドラマでAKBだかどこかの子が、親ゆずりの不細工な顔にコンプレックスがある、っていう役をやってて、でも実際かわいいからそぐわない、みたいなことがあってね。
で、芳根京子ちゃんも、そりゃかわいいんですよ。でも今作では、まごうことなく累だった。傷跡関連の脚本と演出の功績もすごいし。

累の醜さに対するコンプレックスはもちろん、ニナもまた、累の演技力に嫉妬していたわけで、そういう意味ではやっぱり二人は裏表の存在だったのかな、と。名声っていったいなんなんだろう、とか、母のことも含めて考えてしまう作品。実は現実世界にある名声も虚像だったりして、なんて。

劇場に観に来てよかったと思える作品。最近、映画の引きがいいので嬉しい。スクリーンで体感できてよかった。

20180926 AM 近所の映画館にて
きっき

きっきの感想・評価

3.5
二人の演技がとても良かった。
土屋太鳳の演技がめっちゃ良い!
少女漫画の実写はいいからもっと良いのに出てほしい。
37

37の感想・評価

-
映画館で観てよかったと思った。土屋太鳳苦手だったけど演技力にびっくりした、こんなにうまかったっけ?ってなった。特にサロメのダンスのシーンが。わたしの周りみんな褒めてた。芳根京子も然り。累が綺麗な顔を手に入れてくと同時に自信と狂気性を持つ演技が凄かったな。横山裕はクールキャラ似合ってるけど演技はうーんって感じ、あれをメインにもってかれたらきつい。あと舞台ま好む身としてはちゃんと舞台の裏側も表現されてて好感高かった。挿入歌もあってる。漫画原作って原作に負けてる感じあるけどこれはちゃんと作品としてなってるなーっていう感じだった。
とん

とんの感想・評価

4.5
累とニナが目まぐるしく入れ替わるけどちゃんと演じ分けができていて多分この作品を通じて主演二人の戦闘力がすさまじく上がってるんだろうなぁ。。。

それから、劇中劇への力の入れ具合にも脱帽
広い海

広い海の感想・評価

5.0
はっきり言って「異常作」(褒めてます)で、冒頭から寒気が止まらず、ロクな事にならないと、観ながらぐいぐい引き込まれて、そのままラスト、そしてエンドロール‼️
またこのエンドロールの歌が良い‼️
邦画はCGや特撮、予算では海外作品には敵いませんが、心理ホラーでは、海外作品と十分に張り合えると思わせてくれた異常作でした。
個人的には、映画ベスト10に入る作品になりました。
未見の方は、是非映画館に‼️
原作は未読ながら、気になるマンガとして「顔が入れ替わる」という設定も含み、存在は知っていましたが、こういう物語だったとは(;´д`)
ほぼ知らないに等しい(笑)


不思議な口紅を塗ってキスをすると時間制限付きで顔が入れ替わる。
マンガ原作ならではの突拍子も無い設定。単純な設定ではあるが、お互いに足りない部分を補え合える2人に用いることで、物語に実に深く食い込んでいる。
顔が入れ替わることで生じる利害と心情の変化が絡み合い、欲望と嫉妬が増してゆく程に狂気を帯びてくる心理描写は、物語をよりスリリングに展開させている。

さて、この作品の見どころは、W主演の二人の「演技力の凄さ」これに尽きる。
見た目も性格も違う2人が入れ替わる。そんな設定を女優二人がそれぞれのキャラクターを入れ替わり立ち替わり演じ分けて表現している映画なのだが、「演じ分け」という表現では足りないくらいに凄いのだ。

土屋太鳳でも芳根京子でも、ニナはニナだし累は累。
話し方、立ち振る舞いはもちろん、表情や眼差し、さらにはキャラクターの生い立ちから来るオーラですらそのキャラクターそのものだったように感じられた。
キャラクターを演じているというより、キャラクターが降りていたという方がしっくりくるくらいに。

セリフや動きの無いシーンであっても、その視線の置き方、佇まいだけでそのキャラクターがわかる程だ。
状況や場面に応じて、土屋太鳳と芳根京子の役柄が入れ替わるのだが、『今、どっちがどっち?』という困惑はほぼ無かった。

だからこそ物語に集中出来たし没頭出来たのだろう。

顔を入れ替えた相手により作られてゆく、自分としての輝かしい人生の先にある未来は誰のもの…?

そんな戦慄の葛藤の果てに待つ結末と、主要キャストの迫真の演技を堪能してください(^_^)


※脇を堅める演技派俳優陣の中にあって、横山裕はちょっと浮いちゃってた感じがしました。
私的には、バラエティ等での印象も強くなっているので、才能ある若い演出家という役柄に対しギャップが大きく、そのイメージが払拭しきれなかった感がありました(^_^;)
ayano

ayanoの感想・評価

5.0
学生時代に感じたクラス内ヒエラルキーを思い出させられた。他人を嫉妬し羨む感情の現実的な部分と、他人を犠牲にしその人として生きることのできる非現実さと。
主演の二人の入れ替わっているときと本人であるときがすぐに入ってくる演技の凄さ。Aimerの主題歌も世界観にピッタリで聴き浸り余韻。
JIN

JINの感想・評価

4.4
原作マンガは未読。
入れ替わりモノということで、これは演じる土屋太鳳と芳根京子の二人が息を合わせないといけない難しさもあったろう。
ましてや女優を演じるという。
演技の上手い女優とヘタな女優を演じ分けることの難易度は想像に難くない。
その点土屋太鳳は怪演だった。

言ってみれば利用しようとする人間同士、食うか食われるかみたいな話でもあった。
才能、容姿、コンプレックス、プライド、嫉妬、欲望、狂気…様々な要素によって累とニナの二人の関係性が変化していく様が予想以上に面白かった。
ツッコミどころやモヤモヤもあれど、それもまあ許容範囲。
総じてダークな話ではあったけども、ラストにダークな爽快感を感じた人はきっと自分だけではないだろう。
中には逆にそこで終わるのかと思った人もいるかもしれないけど、自分はアレで良かったと思う。
kazbon

kazbonの感想・評価

3.8
原作未読でしたが、先の読めない展開に痺れました!
主役の二人の迫力のある演技のぶつかり合いも素晴らしかったです!!
ほとり

ほとりの感想・評価

4.0
原作未読です。途中から醜さと美しさの対比に、萩尾望都『半神』を思い出した。土屋太鳳は怪物、その怪物に全然負けてなかった芳根京子。ひとり二役ってことですよね、、凄い。圧倒的でした。ホラー映画に近かった。ラスト演劇パートは絶品、絶対に劇場で観るべき。
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