Naoya

祈りの幕が下りる時のNaoyaのレビュー・感想・評価

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
2.8
持ち前の観察眼と会話術、洞察力を持つ日本橋署の刑事・加賀恭一郎の事件解決に挑む姿を描く、東野圭吾作の小説の映画化作。事件解決していく中で、人間ドラマを丁寧に描くシリーズの中、本作では加賀恭一郎の過去についても描かれる。彼がなぜ〝新参者〟になったかも物語にあるので、よりドラマ性は増し、より複雑にもなってはいるが、そのテンポの良さは見応えがある。加賀恭一郎らしい、人間の深部へと入り込む姿と同時に、彼自身をとりまく謎についても解き明かしていく姿があり、完結編としての完成度は高い。ミステリーとしての醍醐味と同時に、シリーズらしい濃厚なヒューマンドラマは深みがあり印象的。結末での余韻は凄まじい。主人公の加賀恭一郎役を演じる阿部寛はハマり役で良い。他出演者も、松嶋菜々子に溝端淳平、田中麗奈など個性的で良い。本作を観てからのタイトルの意味を考えるとより感慨深い。
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