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祈りの幕が下りる時のjohnのレビュー・感想・評価

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
3.5
半沢直樹シリーズで一世を風靡した福澤監督が指揮を執り
加賀恭一郎シリーズの第10作を映画化。
本作では加賀の母親が初登場。
その他作品を跨いで語られていた失踪理由が明かされるほか、
ドラマ『新参者』や映画『麒麟の翼』において描かれる配属先管轄の日本橋や所轄刑事に拘る理由が分かる作品。

(1月:浅草橋、2月:左衛門橋、3月:西河岸橋、4月:一石橋、5月:柳橋、6月:常盤橋、7月:日本橋、8月:江戸橋、9月:鎧橋、10月:茅場橋、11月:湊橋、12月:豊海橋)の下りはおっ!と思ったが、結局つながったのは一つだけだったので、数列的な感じでもう少しいろいろ絡めて欲しかった。

松嶋菜々子の渾身の演技には迫力があったし、それが加賀恭一郎シリーズの人情とミステリーという柱に必要なものであったのが良かった。コメディやのほほんキャラが多い小日向文世を真面目に起用した時のお手本を見た気がした。とにかく二人の配役が抜群のセンスだった。
シリーズを通して思うのは、日本橋という縛られたロケーションにもかかわらず、変な閉塞感もないし、重すぎず軽すぎない空気感を阿部寛と溝端淳平のコンビがうまく作り出していること。コメディタッチではないのに二人の微妙な血縁者の微笑ましい掛け合いが相変わらず良い。

加賀は孤高な存在だが、松宮がいるから決して孤独ではない。
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