丹叉

ミスター・ノーバディの丹叉のレビュー・感想・評価

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)
4.3
答えを明示せず我々に解釈を委ねる難解SF映画

単に「バタフライ効果映画」に当てはめている人が多いが、見当違い

不老不死が実現した近未来世界における宇宙大収縮(宇宙単位でのエントロピー減少による時間逆行)発生日に老人(主人公)が人生を振り返る

そこで我々は主人公の“12通り”の人生をとある究極の選択を迫られた瞬間を軸に、様々な人生の分岐点をいわばバタフライ効果的に描いた映像で体験する

話としてはこれだけなのだが、
”何故歩まなかった人生の記憶があるの?“
そして
“結局老人(主人公)はどの人生を歩んだの?”
といった疑問が一向に晴れない
クライマックスで答えをくれる様な単純な映画では無かった

これらを理解する為の鍵が作中通して散りばめられているが、それらを掻き集めてもなお確固たる解を出す事は出来ない

人生の数だけ解釈も増える
丹叉

丹叉