猫脳髄

ウォーキング・ウィズ・エネミー / ナチスになりすました男の猫脳髄のレビュー・感想・評価

3.6
(2021.10.17 再鑑賞)
3.5年前に一度鑑賞していたのをすっかり忘れていて、フィルマークスに入力の段で驚愕する。いや怖い。今回も★3.6で評価変わらず。

1944年、大戦後期のハンガリー。摂政ホルティ(ベン・キングズレー)の治政下で当初は枢軸国として平穏を維持していたが、東から迫るソ連をけん制するためにナチスが駐留軍を派遣。アイヒマンら親衛隊も乗り込んでくる。ナチスによる統治を拒むホルティ親子は連合国との講和を目論むが、国内のファシスト集団矢十字党やスコルツェニーら親衛隊の工作に妨害されてしまう。

一方、ブダペストに暮らすエリク(ジョナス・アームストロング)らユダヤ人青年たちは、ナチスの駐留により強制労働に駆り出され、家族はアウシュヴィッツに移送されてしまう。強制労働から脱出したエリクはブダペストでスイス領事館がユダヤ人に発行する保護状の配布に従事するとともに、親衛隊の将校に変装し、処刑寸前のユダヤ人たちを救出して回るが、ソ連軍の侵攻が迫るなか、アイヒマンはユダヤ人の移送を急がせる。

ユダヤ人救出に関する実話をベースに、当時のハンガリー情勢を描出する。ホルティサイドとエリクらユダヤ人サイドは交わらず、シナリオが2トラックで進行するため、やや包括的でドキュメンタリータッチに寄っており、ドラマとしては手堅い印象。
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