砂漠のど真ん中で地雷を踏んで身動きのとれなくなった兵士の心と体のサバイバル。
いわゆるソリッド・シチュエーション・スリラーなんですが、描かれているのは単なるサバイバルではなく、マイクの内面に焦点が当てられているのが特徴の作品です。
砂漠の真ん中で肉体的にも精神的にも疲弊していくマイクが見たものは現実なのか幻なのか。
“前に踏み出せ”
作中で繰り返されるこの言葉。
恐怖を感じた時に人は足がすくみ動けなくなる。
それは人生においても同じ事。
このままでいれば、例えそれが苦しくて辛い状況でも今より悪くなる事はないのかもしれない。
でも勇気を出して踏み出さなければ、ここから抜け出す事は出来ないし何も変える事はできない。
立ち止まったままゆっくりと死んでゆくのか、恐ろしくてたまらなくても勇気を出して一歩を踏み出すのか。
その一歩を踏み出す事が出来るのは自分の意思によってのみ。
普遍的でありがちなテーマでありながら、特殊な状況設定と迫真の演技と映像表現で描く事で、それにズシンとした重みを与え、観終わった後にサウナから出た時の様な爽快感と行動を起こす勇気を与えてくれて、人生の先にはもしかしたら希望があるんじゃないかと言う事を感じさせてくれる、そんな作品でした。
陽の「イエスマン」、陰の「ALONE アローン」って感じがしました!