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フジコ・ヘミングの時間のmocoのレビュー・感想・評価

フジコ・ヘミングの時間(2018年製作の映画)
4.6
フジコ・ヘミングさんは私の母がすごく好きだったピアニストです。
物心ついた時から、数々のピアニスト中でも特に彼女のCDをよく聴かされてた。
コンサートにも何度か連れて行ってもらった。数少ない、家族とのあたたかい思い出を共有した音楽と時間がそこにはある。なので個人的に音楽を聴いただけで何度も涙が出そうになった。
どれも有名な曲なのにね、彼女の演奏は全然違う。
ピアノ、その他音楽に、技術ばかりを重視する奏者、聴者、私はあまり好きではない。(勿論、技術は大切です。ここでは、感情よりも機械的な技術ばかりを重んじるのが好きじゃないということが言いたい。)
心(本当の意味で感情のこもった演奏)があれば、少し間違えたって構わない、それは音楽のみならず、どんな芸術の分野にも言えることだと思っていて、ここは意見がはっきり分かれてしまうかもしれないけど、私はそういうふうに作品を大切に愛でる母を見ながら育ち、その後私自身もそのような考えをもっていろんな作品に触れ、作品の手前、人間であること、そこに愛をもって向き合うべきという考えが、抜けないし、結局いろんな人のいろんな意見を見聞きした上で、ここに戻ってくるんだな。と思った。

...エンドロール爆泣き。
思い出の中の美しい音楽に感謝。
どんな巧みな整ったものよりこういうのが一番好きです。
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