フジコ・ヘミングの時間の作品情報・感想・評価

フジコ・ヘミングの時間2017年製作の映画)

上映日:2018年06月16日

製作国:

上映時間:115分

あらすじ

スウェーデン人の父との別離、母からの厳しいレッスン、ハーフへの差別、貧しい留学生活、聴力の喪失など苦難を乗り越え、どんな時も夢をあきらめなかった彼女の人間性と音楽を見つめる。数奇な人生を歩む彼女の“今”には、生きるヒントがたくさんつまっている。 パリ~NY~アルゼンチン~ベルリン~京都――。世界を巡るフジコに密着した初のドキュメンタリー映画となる本作。心震えるワールドツアーでの演奏、自宅で愛する…

スウェーデン人の父との別離、母からの厳しいレッスン、ハーフへの差別、貧しい留学生活、聴力の喪失など苦難を乗り越え、どんな時も夢をあきらめなかった彼女の人間性と音楽を見つめる。数奇な人生を歩む彼女の“今”には、生きるヒントがたくさんつまっている。 パリ~NY~アルゼンチン~ベルリン~京都――。世界を巡るフジコに密着した初のドキュメンタリー映画となる本作。心震えるワールドツアーでの演奏、自宅で愛する猫たちに囲まれて暮らすプライベートに迫っていく。

「フジコ・ヘミングの時間」に投稿された感想・評価

フジコ・ヘミングの素顔に迫ったドキュメンタリー。上映2日目にシネスイッチ銀座に観に行ったのだが、2時間前でもチケットの残数が少しという盛況ぶりだった。

パリ、ベルリン、ブエノスアイレス、NY,LA、東京、京都など、世界各地を飛び回るフジコ。そんなフジコと旅行気分に浸れるドキュメンタリー。撮影しているカメラマンとウマが合うのか、笑顔やジョークを言うヘミングさんがとてもチャーミング。スターバックスやマックでコーヒーやシェイクを飲んでいる姿がとっても意外だった。

パリ、京都、東京、ベルリンなどの彼女の自宅も登場するが、各都市の自宅ごとに趣が違う。歴史ある家具が置かれたパリの自宅、自然豊かなLAの自宅、長屋を改装した歴史を感じさせる京都の自宅、フジコの母が残した東京の自宅など、どれも彼女らしさ溢れる。愛猫家のため各自宅に猫がいる。世界中を飛び回るので、知り合いに世話を頼んでいるらしい。芸術、猫たち、愛する友人に囲まれた彼女の生活がなんとも羨ましい。

コンサートシーンもリアルで、南米でのコンサートではピアノがコンサート用ではなかったり、指が黒くなってしまうほどオンボロのピアノを弾いたり。聴力が完全には回復していないので、東京での演奏ではオーケストラとタイミングが合わない・・・。彼女の演奏を批判する人も少なくはない。たしかに、ポリーニなどの登場により、ピアニストに求められる技巧は上がってしまい、昨今の国際ピアノコンクールの入賞者と比較すれば、彼女の打鍵や技巧は危なっかしい。しかしながら、大勢の観客は彼女の演奏を求める。アスリートのような演奏に聴きなれた現代人だからこそ、彼女の芸術的でクラシカルな演奏が好まれるのだろう。彼女は聴力を失ったおかげで、技巧偏重の潮流から離れることができ、クロイツァーなどに教えられた19世紀的な演奏を現代に伝えることができたのかもしれない。理由づけはなんにせよ、彼女が世界的に人気なのは紛れもない事実だ。

本ドキュメンタリーを通してフジコ・ヘミングというピアニスト・芸術家の素顔が垣間見れて、とても良かった。ぜひ多くの方に観てもらいたい。
ゲル

ゲルの感想・評価

4.5
非常に見応えのある素晴らしいドキュメンタリー作品!
フジコと一緒に各地を旅している気分を味わえる。
どこの土地でも街にしっかり馴染んでいた。
名前くらいしか知らなかったけれど、彼女はファッションも含め個性的でとても素敵。
媚びない話し方もかっこいい。
ペットはどの子も可愛くて癒される。
特に犬!
弟も彼女に負けず劣らず個性的で、楽しそうに子供時代の思い出を話してくれる共演シーンは必見。

自分は通ではないので、演奏曲のタイトルと作曲者の出身国、生まれた年から没年まできちんと紹介してくれるのが親切でありがたかった。
演奏シーンもわりとあるのでちょっと得した気分。
観客のほとんどを還暦以上と思われる女性が占めていたが、ぜひとも様々な世代におすすめしたい。
samiam

samiamの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

とてもいいドキュメンタリー。ひたすら感動!
元音楽教師の私の姉が大好きなピアニスト。姉曰く、彼女の演奏は、10本のどの指で弾く音もその一音一音が均しく繊細でクリアなのだとか。姉があまりにも誉めるので、以前ライブのCDを購入した経験あり。残念ながら、私には他のピアニストと同様にすごく上手、としか分からなかった。
彼女がどれだけ秀でた演奏家なのかは分からないのだが、この映画の中で映し出された生き様が本当にかっこよく、また、映画の中で弾かれた演奏、サマータイム、月光、ラカンパネラなどすべてが心に響いて一気にファンになってしまった。ある曲の演奏で字幕に説明されたその曲に関わる彼女のエピソードも切ないけどいい話し。天国で皆が生きていると信じる彼女が別のシーンで語る、天国でも良いことばかりあるのでは面白くない、という言葉と相まって、人生の負の部分も受け容れて芸術に昇華出来る人なんだなと思えた。
彼女の描く絵や子供の頃の絵日記も紹介されていて、それがまたとてもいい感じで驚く。彼女の子供の頃に家族を離れ二度と帰らなかったロシア人の父親はデザイナーで、彼女の母親の絵やポスターが映されていたが、とても個性的で美しいものだった。絵の才能は父親から受け継いだものかな。
また家にこだわりがあり、サンタモニカ、ドイツ、京都に持つ家は自ら手を入れているがそれぞれそ土地柄に合った味わいのあるものばかり。生まれながらの芸術家なんだろうね。
85歳になっても16歳の心を持ち、毎日4時間の練習をしている姿勢には驚くばかり。ここまで到達した人なんだから当然なんだろうけど、負けん気も相当強いと伺え、ラカンパネラという曲は、演奏者の人生や精神や全てが現されてしまう曲。だから、私の演奏を他のピアニストと聞き比べて欲しい。分かる人にはその違いが分かる、と言う。でも嫌みな感じは全くしない。非常に短いシーンではあったが、このドキュメンタリーの制作者がピアノの練習場の近くにあるボクシングジムでトレーニングに励むボクサーに例えていたことが個人的に無性に嬉しく、心の中で喝采した。
ただ、実年齢からくる死に対する恐れも正直に語っている。手首を指して、もう駄目になっていると言う。膏薬を巻いた手を見せて、10年前に有効期限が切れたものだけど効くのよ、と言う言い方が少し寂しげ。いつまで演奏出来るのか不安だとも。猫や他の動物も死ぬことが分かった時は隠れた場所に向かう、自分も100歳まで生きた時は、誰も私を知らない土地で過ごしたいと。癌を患った彼女が愛する飼い猫が何も食べなくなってしまい、カーテンの陰に隠れるシーンがもの悲しかった。
最後に映されたリサイタルのシーンは本当に生き生きしていて自信に満ち溢れた素晴らしい迫力の演奏。

明後日は彼女のコンサート。姉にプレゼントするつもりで買ったチケットだが、姉が行くことができないので私が行くことに。彼女か積み上げてきたものの証をほんの少しでも生で体感できるのではないかと今から猛烈にに楽しみ。
yellowbird

yellowbirdの感想・評価

4.3
60代になってから世界に見出されたピアニスト、フジコ・ヘミングのドキュメンタリー。
日本人ピアニストの母とスウェーデン人デザイナーの父との間に生まれ、母の手ほどきで5歳からピアノを習いはじめたフジコ。やがて演奏家として高い評価を受けるようになるが、大事なリサイタルの直前に聴力を失うという大きなアクシデントに見舞われるなど、数奇な人生を歩んできた。NHKのドキュメント番組('99)で日本でも広く知られるようになったフジコを公私にわたり密着取材した初のドキュメンタリー映画!
驚きと感動の115分。80歳を過ぎて、なお世界を舞台に演奏活動を続けるフジコ。毎日4時間の練習を欠かさず、妥協を許さない姿は驚嘆に値する。厳しい母のレッスン、ハーフであることへの差別、貧しい留学生活と聴力喪失など、数々の苦難を乗り越えてきたフジコの言葉には重みがあり、すへてが名言。
エンドロールで流れる“月の光”を聴いていると、感動で胸が熱くなった。
パンダ

パンダの感想・評価

4.2
ドキュメンタリーで、フジコさんの日常が映し出されて、その場面場面で彼女が発する言葉は、数奇な人生を歩んできた偽りのない感じたままの言葉で、彼女らしさがとても出ていたと思います。

それにしても、今なお世界各国を旅して、コンサートを行っているフジコさん精神力 体力には、驚かされました。
また、自分の感性を大事に生きる姿勢は、
みゆき

みゆきの感想・評価

2.5
ドキュメンタリーなので仕方ないのだけど、もう少し突っ込んだストーリー性が欲しかった。彼女のように自分らしく生きたいものです。
ヌン

ヌンの感想・評価

-
特別上映会にて

映画もミニコンサートもトークショーも全部素敵だったなぁ
生の演奏を聴けて良かった
ミー

ミーの感想・評価

4.7
特別上映会にて◎
たまたまYouTubeで聴いてから好きになってずっと生で聴きたかった!
映画を観てからの生演奏
なんて贅沢なんだ…素晴らしかったです✨

映画自体はまるでおとぎ話を見ているようでした
かなり苦労をされてきたと思いますが、なんだろう…そう思わせない何かというかマイワールドがしっかりあって、ぶれない芯があるとこんなにも強く楽しくたくましく生きれるんだなって。
そして愛に溢れてました!
特にお母様を大切にされているのが凄く素敵で…お家やピアノ、お写真などなかなかここまで出来ないよなってレベルで深い愛情を感じました
たまーに出てくる弟さんもファンキーでかなりおもしろいw
あと猫ちゃんたくさん出てきて癒されます🐈
カメラが回ってても比較的リラックスしてて、愛されてのびのび暮らしてる様子が伝わりました♡

とにかく80代とは思えないパワフルでアクティブなフジコさんにびっくり!
結構なブラックジョークをトークショーで聞けたのも面白かったですw