この映画シリーズから全てが始まったと言ってもいいくらいの半生を過ごしてきました。
前作TOP GUNとの出会いは音楽。仲のいいお兄ちゃんからもらったダビングのカセットテープは、もともと薬師丸ひろ子のアルバムが入ったテープに上書きされたものでした。
Danger ZoneからスタートするKenny Logginsの衝撃のロックサウンドに、続いてCheap Trickが演奏するこれまたハードロックなMighty Wings。それまでドラゴンボールの主題歌くらいしか音源を買ったことのなかった小学生が生まれて初めてCDを買ったのがTOP GUNのサントラでした。
のちにCheap Trickにドップリハマり、洋楽ロックをこよなく愛する人生になったのは間違いなくこの映画の影響。
また前作の放映当時、都内のいたるところにあったゲームセンターで少年たちに一際人気だった体感ゲーム、セガのAfter Burner2。F-14トムキャットのカッコよさをこれまたロックなゲーム音楽とともにこれでもかというほど楽しませてくれた。
思えば時代はアメリカとソ連(現ロシア)の冷戦時代。アメリカ側のスタンスをそのままエンターテイメントに変える手法はロッキーでもランボーでも見られたけれど、とにかくアメリカはカッコいいというイメージを強烈に植え付けられたのはこの前作でした。
それからDVDを買い、Blu-rayを買い、サブスクでも何度も見直した前作から実に34年、出るかもしれないと噂のあった続編がついに、本当に公開になるとSNS広告で知り、それからコロナが始まった。
そこから2年、本当に待ちに待った続編が36年を経てついに公開された。
好き過ぎる前作の続編。1作目が傑作でも2、3と駄作を増産する過去のハリウッド映画の手法を警戒したが、杞憂に終わった。
これでもかと言うほどの前作へのオマージュ。前監督トニー・スコットへのリスペクト溢れる、トム・クルーズ自身による演出。F-18ホーネットのカッコよさ。
戦争が今そこにある不穏な時代をリアルに生きる私たちにとっての正義とは悪とはを考えるきっかけにもなる本作品。
人間の乗らない無人戦闘機に敵国の人間が殺される現代の戦争において、人間の操る戦闘機が意味するものとは。
色々なことを考えされる作品だった。しかし前作のファンにとっては理想の回答であることは間違いない。
ここだけちょっとネタバレですが、エンディングテーマにMighty Wingsを期待したのは自分だけかもしれない。
There’s no points for seconds best.
2番目の席は必要ない。
1作目の作中で語られ、先の歌の歌詞にも出てくるこのフレーズ。
いや、むしろ2ndがベストなのが本シリーズだろう。やってくれた。