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トップガン マーヴェリックのAoのレビュー・感想・評価

4.7
カウンター的作品ばかり見てきたけど、これぞ人間が心から熱狂した映画というエンターテイメントかもしれない
私は小さい頃、鉄道に夢中だった。いつも両親に踏切まで連れてってもらい、何度も同じ車両を見ては興奮して目を輝かせていた

それに近い、原始的に心から興奮する感覚を思い出した
気づけば姿勢は前のめりになり、固唾を飲んで画面に喰らい付いていた。笑いのシーンでは、会場の皆が揃って笑っていて、観客一体となって1つの映画を楽しんでいる感覚が本当に幸せだった

素晴らしい作品を観終えた今は、本当に心が満ち足りている

【良かった内容云々】
・前作では、専門用語が多く空中戦のカメラワークも斬新で何が起こっているか分からない部分もそこそこあった。しかし、今作では前作の根本的な画角は保存しつつ、俯瞰でとったり照準装置を上手く使ってわかり易く描いていた。
また、フェニックスが離脱した際の空中戦から、いきなりブラッドショーの沈黙の画が写った時はコントラストが際立ってて良かった。

・ストーリーを構造的に捉えた時も、前作のマーヴェリックと父親の関係と今作のマーヴェリックとルースターが重なったりと、前作へのリスペクトが感じられた

・飛行場の真ん中に人、両サイドに並ぶ機体の画角がめちゃめちゃかっこよかった

【better 云々】
・音楽はぶっちゃけ前作の方が好きな人多い気はする、前作はラブシーンですら当時の音楽を使っていたけど、今作では良くも悪くも現代らしく感じた
音楽が与える印象の割合という点では、少し物足りなかった?

・最初の飛行場シーンでは、機体下部の視点から発着艦を捉える画角が好きだったが無くなっていて残念だった

・この映画は敵を設定するのが難しい、ご時世的に戦争を描くのは難しい。やむを得ず、原爆関連にしたのだと思うけどアメリカ発信の原爆メッセージは少し政治性を想起した。 最初に原爆を落とした国であるにも関わらず、映画を通してアメリカに原爆についてポジティブな印象を形成しかねない
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