ひねくれはちゅう類

トップガン マーヴェリックのひねくれはちゅう類のレビュー・感想・評価

3.9
あらすじ
昔、ゲド戦記を見に行った時の話。同級生に「めっちゃつまらない、めっちゃつまらない」と言われて、ハードルをペットボトルのフタくらいの高さまで下げて映画館行ったら「なんだ見れるじゃん」って思った……の逆みたいな映画。


ちまたでは世界最高傑作と名高いこの映画。先月が人生ベスト3に入るくらい忙しくてシンウルトラマン見に行けなかった反動で、「俺の……俺の魂を震わせてくれーーー!」と息巻いて見に行った結果、結論から言うと「食べログ3.5のラーメン」みたいな映画だな、って思いました。いやーハードルをあげすぎたなー。

この映画を好きな人が見たら怒るかもしれないですけど、皆が見て面白いと思う平均値を計って作った映画みたいな「この映画、絶対に外さねえぞ!!!」っていう断固たる決意が見られる映画だなって思ってしまいました。何て言うか頭のいい人たちが完璧な計算式で算出した面白さの映画というか。

で、なんで僕がこんなにも楽しめなかったか考えたところ、劇中の台詞にも出てくるけど、この映画ってエリートオブエリートの活躍する映画なんですよ。そして、作ったのもたぶんエリートオブエリートの人たちなんですよ。そしてそして、そんな人たちが活躍するように作った映画って完璧なまでにエリートオブエリートオブカッコいいオブカッコいいなんですよ。そしてそしてそして、僕という人間は、エリートオブエリートって言葉を聞くと笑ってしまう(MIBのウィル・スミスのように)、ひねくれオブひねくれオブやな奴オブやな奴なんですよ。

でもね、魂が震える瞬間て、エリートオブカッコいい人が活躍する瞬間よりもダメな人や弱い人、いわゆる敗者が強者相手に立ち向かう瞬間だと思うんです。
2007年M-1で敗者復活から並みいる有名芸人を蹴散らして優勝したサンドウィッチマンは漫才のツカミでこう言いました。
「世の中、興奮することはいっぱいありますけど、一番興奮するのは弱者が強者に立ち向かう時だね」
すいません、言ってないです。

あと、ダメな人や弱い人がバンバンぶっ殺されるのもけっこう魂が震える。本能的に身の危険を感じるからだろうか。