さすらいのエマノン

トップガン マーヴェリックのさすらいのエマノンのレビュー・感想・評価

2.0
自分はジェリー・ブラッカイマーさんの映画プロデュースの手法が苦手です。

ブロックバスター法と云う興業スタイルを確立したのは彼であるし、沢山の人達(シネフィルでは無い○カップルなども含む)に遡及する映画をつくるのに長けた人だとは思うのですが。自分は彼の作品で感動したことは有りません。

と云うわけで本作もスルーしてきたのですが、此処での評価の高さを見て『RRR』を半信半疑で観賞したところ、壮絶な傑作だったので(これは侮れないゾ)と思い、IMAX上映最終日にかけ込み、『…マーヴェリック』も観賞しました。

話は、ちと逸れます。自分のファッションスタイルは所謂、アメカジとか云う類のモノでミリタリーテイストの入ったアイテムなどが大好きです。
まー、AVIREXやアルファインダストリーズ的な余り高価では無いモノばかりですが、沢山、持っています。故に一作目が公開された頃に比べれば今作が気になっていたことは確かです。

ズバリ感想。ブラッカイマー映画はやはりブラッカイマー映画なのでした。

冒頭のシーン。撮影当時は自分とほぼ同じ年だったトム・クルーズ扮するマーヴェリック大佐が、秘密裏に開発されたマッハ10で飛行する実験機のアビエイター(字幕ではパイロットと表記されていますが、マーヴェリックはアビエイターと呼称しています)に任命されます。

(無い)と思いました。無いモノは無いのだから仕方ありません。しかも、実験飛行を中止するように“命令”が下ります。此れを鮮やかにスルーするマーヴェリック大佐。(無い)ですね。百歩譲って、還暦直前のテスト飛行士が居たとしても、軍の命令に背いたならば、その時点で軍法会議にかけられて除隊処分でしょう。違いますかね? 同僚のアイスマン(ヴァル・キルマー)将軍の後ろ盾があったから除隊せずに済んだのでしょうか? 意味が分からなかったです。

前作から同じ時間が流れている設定なのにマーヴェリックがどのように生活してきたのかの説明が一切、有りません。ワザとなのでしょうが、彼のバックグラウンドが全く見えないので、白けました。バーの女性(ジェニファー・コネリー様)と恋仲に堕ちますが、50才の女性が年上の男性を恋愛対象に見るかなー? トム・クルーズさんだから? ご都合主義過ぎますね。

演者達が実際に戦闘機に乗って訓練するシーン。確かに迫力はありますが、複座式の後部席に乗っているのがバレバレなのでなんだかなーって思いました。

CG無しの撮影? 其れに何の意味が有るのでしょうか? 迫力満点の絵面を創るのにCGを使用しても何ら問題は無いと思うし、実際は使われていましたよね? CG。ここらへんも宣伝上手なブラッカイマーさんらしいと感じました。

米国は永らく軍事産業が公共事業でした。が然し、技術の進歩に伴い、人の関与しない兵器の開発が進み、予算確保に必死になっているのでしょうか? エイリアンクラフトとしてのUFOの存在を認めたり、あれやこれやと躍起になっているように感じられます。本作も其のようなバックグラウンドをもとに製作されたのだろうと感じました。

物語の核となる某国のウラン貯蔵庫に対するアタックミッション。

これってドローンで出来ますよね?? 出来ます!! つーか、ドローンの得意技。なんでスーパーホーネット?? 意味不明でした。

辛口評価になりました。本作のファンの皆様方、申し訳ありません。でも、単純に娯楽映画として観るのであれば刺さる人には刺さるのでしょう。自分は無理だったと云うだけです。

トム・クルーズ。還暦になっても次回作では宇宙空間で撮影するとのこと。お爺さんクラスタの希望の星です。かっけー!