トメさん

3D彼女 リアルガールのトメさんのレビュー・感想・評価

3D彼女 リアルガール(2018年製作の映画)
3.9
原作が単行本12巻で、それを2時間にまとめたとあって、非常にテンポが良く、盛りだくさんの展開に満足感がはんぱない。でも、原作では、もっといろんなエピソードがあって、後半への盛り上がりもいっぱいあるのかなと思った。それでも、前半の笑いの応酬は非常によかった。


オタクが現実を忌避し、二次元という安全地帯に身を潜める裏には、やはり傷つくことへの恐れがある。そのシーンを非常に端的に表していたのは、いろはちゃんが貧血で倒れたシーンのツッツンの慌てっぷり。あー、完全に現実で起きていることに対する耐性がまったくないのだなと思った。現実で起こる現実がすべて二次元の住人にしてみれば異次元なのだ。耐性がないからさらに怖くなって、また出れなくなってまた怖くなって。そういう循環をして、二次元の住人が形成されていく姿が見れた。

でも完全にいろはちゃんに出会って、それが変わった。傷つくことへの恐れより、感情が良い方向へも悪い方向へも動くことは人生として肯定できることというに気づくことができ、ツッツンの人生はまるでかわったのである。そういう点は、ジブリのかぐや姫に似通ったところがあると感じられた。


個人的には、湯呑みのシーン(演出)が好き。お母さんは、やっぱり湯呑みより息子のほうが大事なんだな。これは見た人にしたわからないし、見た人でもわからない演出だと思う。


それにしても、中条あやみちゃんが可愛すぎる。ずっと、ツッツンと同じテンションで、見ることができて、それもこの映画のひとつの醍醐味。でも、あやみちゃん、痩せすぎてて心配になる。

あんな痩せてたら、病弱キャラしか演じられないよー。見るのがつらくなるよー。


以上、女子高生や女子小学生の親子連れなどに紛れてみた映画鑑賞感想でした。こういうのって一人でみるとサムいと思ってみてしまうけど、映画館ではみんな好きで見にきているので、肯定感をもって観れるし、笑えるところでは、みんなと一緒に観れるし、という点を考えると家でみるより何倍も良く観れるね。ニューシネマパラダイス効果とでも呼ぼうか。
トメさん

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