No.2539
私の中では大傑作。やはり強豪ぞろいのカンヌのコンペに出品されただけのことはある。
むしろ、H出とK田があんなことになってしまい、この映画がスキャンダラスに注目されてしまうようになったことが甚だ残念である。
だからちゃんと説明させていただきたい。
まず監督が凄い。濱口竜介監督は業界内ではずーーっと、凄い凄いと言われ続けていた人。東大の文学部を卒業した後、東京芸大大学院映像研究科に入り直した人で、法政大学を出てから同じく芸大の大学院映像研究科に入った真利子哲也監督の3つ年上になる。
震災後の東北を追い続けていたんだけど、前作の「ハッピーアワー」が高い評価を受けて、僕もずっと見たい見たいと思ってて、いまだに見れていないw
ちなみに、映画評論家の松崎健夫さんも同大大学院映像研究科出身で、濱口監督より8歳年上の先輩になるが、この松崎さんが「芸大の映像研究科出身の若手監督の中では群を抜いて凄い才能だ」と、濱口監督を激賞している。
まぁ、余談はそれくらいにして、確かに演出力は凄いね。
恋愛映画なのにめちゃくちゃ怖いです。いやもう、これ恋愛映画じゃないでしょw
とにかくこの映画をどう評価するかって、観客が朝子とどう対峙していくかの勝負だと思うんですよね。
確かに彼女の行動ムカつきますよ。あり得ないですよ。
亮平の気持ちになってみろと。猫かわいそうですよ。
でも、はっと気が付いた。
「あ、こんなに俺、彼女の言動にイライラさせられてるけど、別に彼女のやることなすこと、全部真に受ける必要はないんだよな」と。
だって、TVに出てるマヤさんにマジでダメ出ししてる瀬戸康史が言ってたじゃないですか。
「セリフを勝手に自分に引き寄せんな」
って。