映画猫

さよならの朝に約束の花をかざろうの映画猫のレビュー・感想・評価

4.1
作画が良いです。よく動きますし、繊細な感情も表現されていて、それでいて乱戦のシーンも迫力がありました。だからこそ、もったいない…と感じました。
まず、登場人物の顔がのっぺりしすぎていてみんな同じ年齢と顔に見えます。モブとか主要キャラ以外は描き分けされていたのに重要人物ほど全員同じ顔。イオルフは長寿で年をなかなか取らないからというのは分かりますが、彼らとは別の時間の流れを生きるエリアルこそ年齢を見た目でちゃんと描写したほうが良かったと思います。父親になる年になっても10歳くらいの顔に見えました。
そして、顔と同じくキャラの行動原理の陰影が薄い。レイリア、クリム、エリアルとマキアの間に起こる感情の変化に、プロットでこうだから以上の描写が見えてこない。長尺を取らなくてもちょっとしたキャラの演技やカメラワークで匂わせることはできたはずなのに、セリフ以外は終始説明不足でキャラの行動の突飛さについていけず置いてけぼりを喰らってしまいます。監督の頭の中には全てが繋がっていて理由があるのかもしれないけど、観客がそれを知らなかったら楽しみようがない。
もっとこうだったら…は全然面白くない作品には思わないはずなので、決定的に何かが悪いわけでは無いのだけど…。そんな感想です。
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