罪には罰を

さよならの朝に約束の花をかざろうの罪には罰をのレビュー・感想・評価

3.0
出産という命を産み出す行為の一方で、戦争という命を失う行為をしている。その生と死のクロスカッティングを血で繋げたのが見事。
イオルフの地から離れ『母』となったマキアは髪を茶に染めるが、囚われたことにより茶髪を切り落とされる。『断髪』とは俗世との縁を断つ行為であり、すなわち再び金髪となったことで、マキアはイオルフとして生きることを強いられてしまう。
全編を通して台詞による説明がくどいのだが、「そっか」で己の役割を悟る指の反復は泣けるし、見届ける者として、愛する者の『死』から逃げることなく対面するラストも素晴らしい。
泣かせようとするしつこさや、クリムとレイリアの件に岡田麿里の作家性を感じつつも、中々面白かった。