ぴかる

ヴィクトリア女王 最期の秘密のぴかるのレビュー・感想・評価

4.2
同じ監督の「マダムフローレンス」が面白かったのでコチラも観賞。老齢の貴婦人を愛らしく見せる技術においてこの監督の右に出る人はいないと思う。

ヴィクトリアがアブドゥルを自分に会わせる理由が「イケメンだから」というのが妙にリアル笑 きっかけはそうでも、打算とは正反対にある人柄なアブドゥルを敬愛したんだろうな~。晩年になって人生観をガラッと変えてくれる人が現れたら、彼をそばに置くことに圧倒的権力を振るうのも許してしまう笑

良く悪くも伝記映画で、前半は喜劇として王室独特のファッション・グルメ・風習を茶化したネタを随所に仕込んでくる。家で見てたら微妙だったかもしれないけど、劇場では叔母様方のオホホと高貴な笑い声が聞こえてきて、その雰囲気込みでほっこり楽しめた。
後半は史実に近づけるために少し落ち着いてしまい、前半が好きだった自分としてはちょっと物足りなくなってしまった。

でも、あの後半の展開だからこそ「どこまでが事実でどこまでが脚色なのか」知りたくなる。王室が舞台のドラマはいくつか観てきたが、異文化・異人種をどう迎えるのかというアプローチで考えたことは無かった。新しい視点を与えたくれた意味でも、観て良かったです。また観ることがあれば叔母様多めの劇場を狙います。
ぴかる

ぴかる