このレビューはネタバレを含みます
非現実的な色使いと対照的に貧困層の現実を叩きつけるようなストーリー。
基本的には現実的なところははっきりとした描写は少なく、特に子供達がいるシーンでは仄めかす程度にしか描かれていない。
燃やしちゃった廃屋も、ムーニーたちにとっては遊び場だけど、大人達は「売人が集まってきてて危ない場所」と言っている。
様子のおかしいおじさんもボビーはすぐに「小児性愛者(明言はされていない)」だと気づき追い払う。
でも子供達にとっては毎日が探検。全てが遊び場。
ムーニーが現実に触れるシーンは、ハネムーンなのに間違えて安モーテルに来てしまった新婚夫婦のシーンでの「大人が泣く瞬間がわかる」だけ。
児童局によって、母親と離されるとわかった瞬間にムーニーにとっての夢の生活は終わる。色鮮やかで冒険がたくさんの世界はここで終わる。
「さよならを言わなくちゃいけない、でもそんなこと言えない」いつもはゲラゲラ笑ってるムーニーの大粒の涙を見て、ジャンシーは何を言うでもなく、ムーニーの手を取ってただ走って、走って、走って、ディズニーワールドを突き進む。目の前にはシンデレラ城。
そこで暗転。
考えさせられるラストではあるけど、意味なんてないのかもね、衝動的に行かなきゃ!と思って走り出したのかも。もしかしたらシンデレラ城が目的地でもないのかも、どこかに辿り着く事なく終わってるし。
2021.03.31