パエリア太郎

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のパエリア太郎のレビュー・感想・評価

4.6
ディズニーに行きたくさせるディズニー映画として郡を抜いていたし、さすがの道徳観だと思いました!!

本当に可愛い子供映画でして、ちっとも退屈しないんですよね。ずっと可愛いくて、そしてとっても危なかっしい。
ずっと子供目線で進んでいくのですが、クライマックスもそうですが、例えばお風呂のカーテンを開けられそうになるとき
あっ!この子だって何もわからない訳ではないんだ!なんて視点にヒヤッとさせられました。

クライマックスはとんでもないスリリングで、改めて大人目線で子供を見た時、なんて車通りが激しいところなの!!
最悪の事も想像してしまい、見てられない!と目を細めたし、どうしてあげる事もできない支配人の表情だけで泣けてくるし、隣のモーテルの友達の玄関でのやり取りで、締め付けられてた気持ちが崩壊して、死ぬかと思いました。
その後に目を丸くする展開が待っているのですが
その行動自体もさることながら
あれ?この友達は知っていたの?そっちの世界だってあることを?!その狭間で生きていたことも?!みたいな!!
めっちゃゾクっともしました。

このお母さんが正しくないことを大前提としても、僕はこういう人になりたいとすら思っちゃいました(精神的に)
咄嗟に子供に感じて欲しくない本質的な部分を見抜き、排除してあげる考えなしにできるって、僕にはできないなって。

とはいえ、きちんとディズニーらしくモラルにも徹してる話だとも思いました。母が娘が手についたピザの汚れをシーツで拭くことをきちんと注意しないように、決定的に娘が犯した罪に対して罰を受けなかったことが悲しい現実の引き金となっていて
目をひんむくラストは一時的でも救いになる凄く即物的なアレでした。

娘さんの他所から見たら決して裕福ではない底辺的な暮らしの中でも、ディズニーランドが必要なかった話。
切ねー!!
パエリア太郎

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