フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法の寿司のレビュー・感想・評価

フェアリーな画から漂う、真夏の安モーテルの匂い。急な豪雨がゴミの散乱してる地面を蒸し、事務所からは乾燥しきった冷房の匂いが伝わる。優しい画がむしろこの「どうしようもなさ」を際立たせていて、「かわいい」というより意地悪に思える。
でも、画から匂いが漂う映像って、もしかしたら映像としての役目をめちゃくちゃ果たしているんじゃないかしら。

陰鬱な展開になり、観てて苦しくなった矢先に監督のインディペンデント精神が発揮されてて「あ、この監督、こういう映画撮る人だった」と連れ戻された感じ。