za

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のzaのレビュー・感想・評価

4.2
フロリダのディズニーワールド近郊にある安モーテルで暮らす親子の物語。

子供の視点で見る、色鮮やかに輝いている世界。そしてそれとは裏腹な、アメリカの社会問題、貧困層の現実を強く描いた作品。映画的というよりかはありのままを映すドキュメンタリー的な節もあり、日本で言うところの是枝裕和監督の作風に近いような印象を受けた。特にムーニーを演じた女の子は、ちょっと演技とは思えないぐらいにリアルで凄い。

子供から見ればただの楽しい日常に過ぎないことが、実はひとつひとつが意味のある出来事だったりと、注意して見るとかなり脚本が練られている(メッセージが強い)ことが分かる。
大人と子供、両方を見守る存在としてのウィレム・デフォー。その彼もまた、見守ることしかできないという現実が何とも言えない。

そしてラスト、ムーニーの世界が大人たちの手によって終わりを迎えようとするその時、この作品は我々に"映画"を見せてくれる。
希望というものはすぐ傍にありながら何と手の届かないものなのか。
映画の中だけでもせめてハッピーエンドであってくれたなら、或いは
za

za