にゃんちゅう

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のにゃんちゅうのレビュー・感想・評価

4.5
新年初っ端からめっちゃ映画に出会った。ディズニーワールドからほど近いモーテル「マジック・キャッスル」に住む6歳のムーニーは、毎日友人スクーティとともに車に唾吐いたり、モーテルを停電させたりして遊ぶ、典型的腕白ガール。母親ヘイリーは、前科者職なしシングルマザーで、一家は困窮状態。それでも、偏屈なようで実は温かく2人を見守るホテルの支配人ビリーや、スクーティの母で友人のアシュリーらに支えられなんとか生活を立てていた。しかし、ある時スクーティとムーニーが起こした度が過ぎる廃屋放火のイタズラにアシュリーとヘイリーの仲は微妙になってしまい…見どころはラスト。あまりの貧しさに売春をはじめたヘイリーがモーテルでも噂になり、児童保護施設がムーニーを保護しようと動き出した。が、それに抵抗したムーニーが、親友ジャンシーのモーテルへと向かい、玄関先で「もう会えないの、たぶん2度と」「理由は言えないの」と言って号泣するシーン。子供の力だけではどうしようもない現実に打ちのめされるムーニーの涙が泣かせる。さらに、黙って聞いていた、どちらかと言えば今まで受け身だったジャンシーの、力強い眼差しと「ディズニーワールド」へと導く手。もうこのまま「テルマアンドルイーズ」みたいな感じで治外法権ディズニーワールドで暮らせたら…!な終わり。色鮮やかな映像に対して過酷な現実のコントラストも、全てがすきだった。
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