ぶみ

ヴェンジェンスのぶみのレビュー・感想・評価

ヴェンジェンス(2017年製作の映画)
3.0
ジョイス・キャロル・オーツが上梓した『Rape:A Love Story』を、ジョニー・マーティン監督、ニコラス・ケイジ主演により映像化したサスペンス。
レイプ事件の犯人が敏腕弁護士により無罪となったことから、犯人を逮捕した刑事が自らの手で制裁を加える姿を描く。
主人公となる刑事をケイジ、レイプされてしまう女性をアンナ・ハッチソン、敏腕弁護士をドン・ジョンソンが演じており、皆演技は文句なし。
しかし、肝心の脚本がいろんな面で弱い。
そもそも、ケイジ演じる刑事が、なぜ復讐(=ヴェンジェンス)に燃えるのかの描写が非常に弱く、反対にレイプ事件の被害者となった親子の苦悩が丁寧に描かれているが故に、もう少し、そこはしっかり伝えて欲しかったところ。
また、最近のケイジは、ブチ切れ演技がもはやお家芸と化しているが、本作では内心はブチ切れているのだろうが、淡々とした表情で復讐を果たしていくものとなっており、これはこれで悪くない。
ケイジのブチ切れ演技を期待していると物足りなさを感じるとともに、それなりのカタルシスは得られるものの、レイプ事件の闇を描くという重いテーマなだけに、脚本の弱さが目立ってしまった一作。

私は殺された。
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