光光太郎

映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!の光光太郎のレビュー・感想・評価

4.2
常識のネジが30本抜け落ちた世界で繰り広げられる、隙あらば入るギャグの数々に抱腹絶倒。しかし「表現者とは」「ゴジラ映画」「弱者への視点」と言った一貫したテーマは熱く泣ける。

子供にも大人にも受ける「ベロベロバァではないギャグ」が本当にてんこ盛り。間を活用した映画的な笑いになってたし、それが伏線になって物語に熱さを加えてもいた。

しかもそれがシリーズファンへの目配せや身内ネタではなく、初めてプリキュアを観る人でも笑えるものになってたと思う。

中盤から終盤にかけてが完全に「地球防衛軍」だし、ゴジラ映画的だなと思った。怪物に惹かれる狂人は遂に怪物と一体化するけども、その怪物は社会から爪弾きにされた弱者の怨念でもあって。

怪物になった狂人と弱者に対してプリキュア達……シエルは清廉潔白な一般論ではなく、師匠や仲間達との出会いから生まれた自分の成長を必死にぶつける。
私情と私情のぶつかり合いの果てに生まれたのは共感ではなく、気付きだった。

やってることは本当にアホの極みなんだけど、スイーツや技術の使い方が映画的で思わぬ深みを生んでる。
メッセージはスイーツに込めた。押し付けはしない。そこから何を感じるかはお前次第ってのがさ。

歪んだ映画作品として最高のプリキュア映画だった。
光光太郎

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