歌うしらみがおりました

契約結婚の歌うしらみがおりましたのレビュー・感想・評価

契約結婚(2017年製作の映画)
3.0
自称移動キャバ嬢。換言するとホームレスの女性が居住権のないっぽい韓国人男性と偽装結婚をして少しでも生活に潤いをもたらそうと画策する中で真実の愛を見つけていくとかなんとかな話。だけど、性風俗や犯罪に固定カメラでオフビートなおかしみを出そうとするいつものいまおかしんじ。
二人揃って中指立てるのはサムし、韓国から来た彼女がビンタするシーンでは「やっぱり腹が立つ」って言ってからは駄目だと思う。やっぱああいうのはいきなりやってなんぼでしょ。
でも良かったところもそこそこあって、誕生日ケーキの火が、吹き消す前に一部息で消えちゃう(でもそこには触れられない)のは偶然の産物としてほっこりするし、小田飛鳥が自らの過去を語る際の「何を言っているのかは分からないが、泣いていることは分かる」という言葉が通じない設定を活かしたシーンはそれなりに感動した。
あと最近ジョン・フォードをちょこちょこ見ていたからか、小田飛鳥と川瀬陽太の濡れ場では、川瀬陽太が一度脱いだ帽子をつばを後ろにして被るのだが、男の決意めいたものを感じてちょっとグッときた。のだが、カットが変わると帽子を脱いでたから結構がっかりした。そういう細かいところを押さえていかないといかんよ。
ラスト、韓国人が帰国するところでは、特に関係ないはずのさくらゆらが「やるよ」とドヤ顔でハート型のダサいサングラスをかけてやるのがちょっと面白かった。
一番いまおかしんじ的可愛らしさが出てるのはエンドロールでした。