ポンヌフ

祝福~オラとニコデムの家~のポンヌフのレビュー・感想・評価

4.0
日本でも大家族の家庭に入りこんで、その生活ぶりを写す番組がたくさんある。

このドキュメンタリーの家庭は、決して大家族ではないけれど、主人公14歳の女の子オラの、家族への愛は、大家族分くらいあるように見えた。

自閉症の弟に小言を言ったり怒ったりしながら面倒をみて、お酒の問題をかかえる父親を妻のように世話をして。

弟の明日の学校の準備をしてあげたり、
聖体式のために、根気強くセリフを覚えさせたり。

オラはあまり表情を変えず、すべて一人で抱え込んでいる苛立ちや、やるせなさが吹き出てしまっていたけれど、弟のためを思って、叱咤しながらも一緒に練習に付き合ってあげているのは、大きな愛情だなと思った。

母親が一瞬戻って来たとき、教会で母親と父親に挟まれているときの、オラのあのすごく可愛らしい笑顔をみたときから、涙がどんどん止まらなかった。

宗教の授業や、弟が覚える聖体式の言葉が、ドキュメンタリーを縫うように、刻まれていて、ドキュメンタリーというか、感動的な映画を見せられている錯覚に陥った。

オラに、幸せになって欲しい。あの笑顔が、たくさん見られるといいと心から思った。

あの終わり方も、すごくつらかったけれど、良かった。
ポンヌフ

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