祝福~オラとニコデムの家~の作品情報・感想・評価

祝福~オラとニコデムの家~2016年製作の映画)

Communion/Komunia

上映日:2018年06月23日

製作国:

上映時間:75分

あらすじ

舞台はポーランドのワルシャワ郊外の街。主人公は、酒で問題を抱える父親と自閉症の 13 歳の弟ニコデムと暮らす 14 歳の少女オラ。母は家を出て行ってしまい、家事をこなし、弟の面倒を見るのはもっぱらオラの役目だ。現実は厳しいが、弟の初聖体式(カトリック教会で、洗礼後に初めて聖体をいただく式)が成功すれば、もう一度家族がひとつになれると信じるオラの日々を描いている。

「祝福~オラとニコデムの家~」に投稿された感想・評価

パンフレット読まないと無理。
この距離感が冷たいのか、好奇なのか、監督が何を思いこの家族にカメラを向けてるのか全くわからなかった。

でも監督は、自分自身の少女時代と彼女を重ねていたらしい。
最初からオラしか見てなかったもんね。

でもだからといってかつての自分と重ね合わせて撮っていないか?

懐かしみながら撮っているのか?

ベルトだけじゃわたしはなんか納得できないなぁ。
コピーは「少女はこの世界に負けないように立っている」。

2017年、山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞にしてヨーロッパ映画賞最優秀ドキュメンタリー賞。試写で見せてもらったときは、どうにも掴み所がなかったのだが・・・・・・。

ワルシャワ郊外。ヒロインは14歳のオラ。福祉事務所からの来訪には「特に変わりはないわ」と酒に溺れる父を庇い、一つ年下で発達障害をもつ弟がなんとか初聖体式が受けられるように粘り強く働きかけ、何年も前に家を出ていってすでに新しい男との間に赤ん坊も生まれている母親が帰ってくるのを待ちわびている・・・・・・。

オラは十二分に賢い。「子どもなのに大人のような責任を担わされる」という重みにも十分に耐えている。しかし、そのけなげさを、家族で仲良く暮らしたいというごくごくあたりまえの彼女の希望を、不甲斐ない父親と、そんな夫との暮らしに愛想を尽かしたらしい母親が、仕方なく、とはいえ、あっさりと、裏切っていく。そんなひとりの少女の現実に、観客の私はどのように向き合えばいいのだろう・・・・・・?

だが、本作がデビュー作というアンナ・ザメツカ監督のインタビューを『ふぇみん』3191号で読んで膝を打った。

「重すぎる荷を背負った子には、それを意識化する証人が必要だ」「こんなに大変なことをよく頑張っているね、と言ってあげる。それが重荷をはずすことになる」という精神分析医のアリス・ミラーの言葉を導きの糸にしたのだという。

善良だけれど無力なオラの父親にワルシャワ中央駅で出会ったのが始まりだったとも。「言葉が通じずに困っていた観光客を、彼は4カ国語を操り助けていた。社会主義時代、闇の両替で生計を立てるために独学で覚えたという。ここ20年は職もなく、駅の赤帽でチップを稼ぐのがせいぜい。『学歴もなく貧しいけれど、善人で尊厳があり、信頼できる人だとすぐにわかった』」。作品を見ただけではそこまでわからないのは致し方ない。が、母親はともかくも、オラたち姉弟がその父親の愛を呼吸しているのは確かだ。

監督はまた、「私はインテリの家で何不自由なく育ち、愛されてもいたと思います。だから環境は違うけれど、多忙で留守がちの両親に代わって5歳の私が1歳の弟の面倒を見ていた。弟への責任、その重圧に押しつぶされながら」と、自身の子ども時代の記憶からオラの気持ちが理解できたのだと語っている。

ドキュメンタリー映画のカメラが目撃者であり、証人となる。本来はプライベートな領域である家族のなかで、女性というジェンダーに割り当てられた家事やケアという〝愛の労働〟を未熟ながらも懸命にこなそうとしている少女がそこにいる−−−−確かに彼女は「世界に負けないように立っている」のだ。
日本の(田舎の)変な同調圧力も嫌だけど、キリスト教社会も負けず劣らず窮屈そう
hachi

hachiの感想・評価

4.0
切ない、、

そこにカメラがあることを意識させないとても自然な佇まいなドキュメンタリー。
淡い光を帯びた映像は美しい。

母親が出て行った家で自閉症の弟としっかりしてない父親の面倒を見る長女オラ。

弟の洗礼式に訪れる一家団欒のつかの間の幸せ。その時の彼女の笑顔は本当に幸せそう。
不幸すぎる日常と対比してその笑顔が忘れられない。

美しい映像と裏腹に自分ではどうしようもない環境にいる人たちの存在に監督はフォーカスした。

つかみかけた幸せが指の間からするりとこぼれ落ちてしまうのを目撃してしまった感じ。
タイトルが祝福とは。
切なすぎる。
日本でも大家族の家庭に入りこんで、その生活ぶりを写す番組がたくさんある。

このドキュメンタリーの家庭は、決して大家族ではないけれど、主人公14歳の女の子オラの、家族への愛は、大家族分くらいあるように見えた。

自閉症の弟に小言を言ったり怒ったりしながら面倒をみて、お酒の問題をかかえる父親を妻のように世話をして。

弟の明日の学校の準備をしてあげたり、
聖体式のために、根気強くセリフを覚えさせたり。

オラはあまり表情を変えず、すべて一人で抱え込んでいる苛立ちや、やるせなさが吹き出てしまっていたけれど、弟のためを思って、叱咤しながらも一緒に練習に付き合ってあげているのは、大きな愛情だなと思った。

母親が一瞬戻って来たとき、教会で母親と父親に挟まれているときの、オラのあのすごく可愛らしい笑顔をみたときから、涙がどんどん止まらなかった。

宗教の授業や、弟が覚える聖体式の言葉が、ドキュメンタリーを縫うように、刻まれていて、ドキュメンタリーというか、感動的な映画を見せられている錯覚に陥った。

オラに、幸せになって欲しい。あの笑顔が、たくさん見られるといいと心から思った。

あの終わり方も、すごくつらかったけれど、良かった。
まりん

まりんの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ドキュメンタリーなのです。
姉のオラは14歳ですって。恋やオシャレにうつつをぬかしたいお年頃。
なのに、家族を一人で支えている。凄く可愛い。真面目でも、健気でも無く、凛と立って居ようとしている。
弟君は自閉症で、でも、姉にお尻を叩かれながら彼なりに頑張っているのだと思う。

だけど、両親が情けなさ過ぎる。
お酒を止められない父親。そんな父の矢に愛想を尽かしたのか?別の男と子供を作って出て行った母親。
出て行かれたからお酒に走ったのか?それは分からないけど。
母親に、まだ頼りたい時も有る筈なのに、ダメな母親を叱り励ます。
親を捨てられたらいいのにね‥と思わずに居られない。
pennylane

pennylaneの感想・評価

3.8
オラとニコデムが笑っていると嬉しくなった。映像がきれい。ドキュメンタリー好きでよく見るが新鮮
いち麦

いち麦の感想・評価

4.0
僅か14歳の娘オラ。一つ歳下の弟への言葉は母親そのものであり、父親への言葉さえ時に夫の様であり、驚きと同時に身につまされる思い。まるでドラマを思わせるほど人物描写力もつ脅威的ショットの連続が圧巻。
なつ

なつの感想・評価

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オラ14歳、ニコデム13歳(自閉症)、父親(酒問題)、母親(新しい男+赤子)。
職場近くに七夕飾りがあって、何気に短冊を見たら。
“すべて自分の思い通りになるように”てあった。こっ怖すぎ!
オラの願いは“弟に祝福があるように”、“家族がもう一度ひとつになりますように”だ…。
他者の幸せを願えるオラが好きだ。
負けないよ、この子なら世界に。
家事一切と弟の世話を一身に引き受けるオラは多忙過ぎる。
忙しい姿は昔の私を見ているよう…大人になるしかなかった。
子どもらしく居られた方が良かったけども…仕方ない、シッカリしてしまう。
七夕への願いは、“オラの願いが叶うように”にしたい。
これ…ドキュメンタリーなのは懐疑的。モキュメンタリーですと言われたら好評価つけるんだけどな。
詮無く身に付いた母性が、少女の本音とはうらはらに光輝く瞬間の美しさ…。
薄切りのバナナで聖体式の練習をする姉弟が可愛らしかった。
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