ニューヨーク公共図書館の日々の様子を伝えるドキュメンタリー。
名前が「市立図書館」ではないのは、運営費の半分が市の補助金、半分が民間からの寄付でまかなわれているから。アメリカでは他にもロスやシカゴなどに、この形式の図書館がある。
そのためか職員たちの、社会に役に立つ存在であらねばという意識が強い。高齢者のためのパソコン教室、貧困層へのモバイルルータの貸し出し、視覚障害者への点字教育、算数ができない子のための親子勉強会など、そんなことまで図書館でやるのかと驚かされた。
各種イベントに参加する市民たちの目も真剣そのもの。文化を守り育んでいこうとする人々の意識は一朝一夕に築けるものではない。教養文化に対する歴史の深みを感じさせられた。