荒野のマネキン

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスの荒野のマネキンのレビュー・感想・評価

4.3
予算確保に向けて政府や民間の支援者とどのような駆け引きを進めるか?限られたリソースや時代の趨勢の中で、利用者間の利害の調整や公共性の担保をどのように行うか?という政治的判断や逡巡を経て形づくられる有機的な図書館像を提示するワイズマンの視点。
つまりエクス・リブリスは、「バベルの図書館」のような「無限であり周期的」な建物では決してない。まして「恒久的なシステム」でもないし、ボルヘス的図書館のあり方を支える不変の公理は存在していない。
代わりに揺るがない「理念」があって、いつでもその「理念」に立ち返ることで営みを推進していく姿に、そしてセレブリティの伴走に、ひたすら感動と憧憬の念を抱く。そんな感じ。
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